この記事をまとめると
■優れたクルマが売れるとは限らない
■あえて少数のユーザーを狙いにいくケースもある
■売れ行きはイマイチだったが評価が高かったクルマをジャンル別に4台紹介
パッとしなかったが走りも装備も一級品だったクルマを振り返る
セダン:トヨタ・プログレ(1998年)
トヨタ車の販売は全般的に好調だが、売れ行きが伸び悩んだ車種としてプログレがある。直列6気筒の2.5リッターと3リッターエンジンを搭載する後輪駆動のセダンだったが、全長は4500mm、全幅も1700mmに抑えられて視界も良いから運転しやすかった。
加えてフロントマスクは抑制の利いたデザインだ。上質なセダンなのに、豪華さを追求したオラオラ系ではない。この持ち味のために販売は低迷したが、トヨタは従来の上級セダンでは満足できないユーザー層を獲得している。つまり、狙いは当たった。
ちなみに当時のトヨタは、セダンの主流派とされるクラウンやマークII、革新派ともいえるアルテッツァなどを用意しており、さらに反主流のプログレまでそろえた。セダン市場を自社だけで完結させるトヨタの物量作戦に驚かされた。