コストをかけて開発したこだわりの思想は受け入れられなかった
スズキ・セルボ(5代目)
もともとはスズキの軽スペシャリティーカー、フロンテクーペの550cc版として登場したセルボ。2代目からはアルト系のコンポーネンツを流用しながらも、より上級なキャラクターを持ったモデルとして販売が続けられていたが、1998年に一旦販売を終了。そして8年ぶりに復活したのが5代目セルボとなる。
この5代目モデルは、ワンモーションフォルムのエクステリアが特徴的で、スペシャリティカーとしてかなり上質な仕立てとなっていた。また、登場からおよそ1年後には、直噴ターボエンジン+7速MTモード付CVTを搭載したスポーツグレード「SR」を追加。
この直噴ターボとCVTという組み合わせは軽自動車初となるもので、その革新的なパワートレインが影響してか、かの有名な「グランツーリスモ6」にも収録されている。ただ、時代はハイトワゴンに人気が移行しつつある中であり、軽のスペシャリティカーというジャンルは、当時のユーザーにはそこまで響かなかったようだ。
ダイハツ・ハイゼットキャディー
ハイゼットといえば昨年12月にバンがフルモデルチェンジを果たした、ダイハツを代表する商用車だ。そんなハイゼットの名前を冠しながらも、じつはハイゼットとはまったく異なる車両となっていた車両があった。それが2016年に登場したハイゼットキャディーである。
一目見れば分かる人も多いと思うが、ダイハツのスーパートールワゴンのウェイクがベースとなった商用車であり、FFレイアウトで乗用車的な運転感覚が可能という点がウリだった。
しかし、荷室スペースを求めるためか、リヤシートが存在しない完全な2シーターとなっており、それでいて価格は比較的高めということもあって販売は低迷。
モデル末期には月販数十台ということも珍しくない状態となっており、レア度は今後高くなりそうだ。