この記事をまとめると
■町の至る所に消火栓の位置を表す標識が存在
■じつは広告が出せる媒体のひとつ
■支柱に位置を示す棒状のものがついていることもある
消火栓のあるところは駐車禁止
自動車教習所で習うのが、消火栓のあるところは駐車禁止(標識から5m以内)ということ。火事になったときに消防車が使用できなくなるので当たり前なのだが、今ひとつ場所がわかりにくいのも事実だ。日本の消火栓のほとんどは栓自体が道路の下にある地下式を採用となっている。海外のように路肩に立っていればいいのだか、場所がわかりにくいため、別途標識を立てて目印としている。これは我々、一般人のためだけでなく、すべてを覚えているわけではない消防士が消火活動を行うときにも役立っている。ほかのエリアからの応援もありうるのでなおさらだ。
この消火栓の標識は、ほかの標識とは形が少々違っていて、けっこう高い。さらに注目なのは広告が付いているということ。もちろん違法ではなくて、数少ない公道上に広告が出せる媒体のひとつが消火栓の標識だ。この収入によって、設置や維持の費用が賄われているのもあまり知られていない点だろう。これは民活方式と呼ばれるもので、1955年に始まった歴史のあるものだ。
また、よく見ると支柱の部分に白い矢印が付いていることがあるが、これは実際に消火栓のある場所を示したもの。標識がどこにでも立てられるわけではないので、場合によっては標識の位置と消火栓の場所がずれてしまうことがあって、このような対策が取られている。
この高い支柱タイプ以外に壁に貼られた標識もあり、文字もよく見ると「消防水利」や「防火水そう」など、「消火栓」以外もある。正確には消火栓だけが支柱のある標識タイプになっている。消防水利の意味は幅広く、消防のための水が取れることを示していて、つまり消火栓も含めたもので、川なども同様だ。
防火水槽は地下などに貯水タンクがあることを示していて、水道とつながっている消火栓とは水の供給方法が異なっている。消防水利は法律的にも存在を示すように定められていて、街のあちこちに消防関係の看板が多く見られるのはそのためだ。