まさかの電鉄系会社も輸入車販売に乗り出した
さて、国産メーカーがライバルである輸入車を扱う以上に、マイカービジネスとは対極と感じる電鉄企業が輸入車販売を手掛けていたこともある。
有名なのが近畿日本鉄道の100%子会社だった近鉄モータースだろう。2005年に消滅してしまった同社が生まれたのは1952年だから、じつに50年以上も輸入車を販売し続けていたのだ。とくにリンカーンやマーキュリーといった高級なフォード車の取り扱いには定評があった。
なお、現在でも近鉄ホールディングス傘下には、メルセデスベンツ販売を行なうシュテルン近鉄や、三重いすゞ自動車といった販売会社が残っている。
さらに1990年代に、自動車業界の注目を集めた異業種参入がジェイアール東日本自動車販売であった。民営化したばかりのジェイアールとして新規事業を開拓するために自動車販売に進出したのだ。
当初、都内でのボルボ販売店を展開しているうちはさほど目立っていなかったジェイアール東日本自動車販売が、注目を集めたのは1997年。GMが日本車キラーとして生み出した「サターン」の販売に進出。新宿駅前にサターン新宿というディーラーをオープンしたことで大いに話題となった。
もっともサターン新宿は3年ほどでクローズとなり、その後は同社も解散してしまっている。