衝突安全性と排ガス規制をクリアした国産車が人気に
なぜ、この法律が生まれたかといえば、欧州からアメリカに輸入される旧車に対して、衝突安全性など保安基準に対する捉え方が曖昧になり、クルマの輸入事業者などの間から問題視する声が高まったからだ。
衝突試験であるクラッシュテストを免除するなど、ある程度古いクルマに対する規制緩和策だといえる。
これと並行して進められたのが、旧車の排ガス規制に関する規制緩和だ。こちらは連邦法ではなく、主に州法で対応する。アメリカは国全体を連邦政府として、さらに州政府が独立性を保っている。日本の地方分権に比べて、米州における法の独自性は強い。
こうした、衝突安全性と排ガス規制の両方を、25年ルールとしてクリアした日本からの旧車がアメリカで人気を博しているのだ。
ただし、25年ルール対象の輸入車急増により、一部の州では旧車の排気ガス規制に対する見直しが検討されているとの情報がある。
バイデン政権では、グローバルでのカーボンニュートラルの動きを重視して、新車の電動化について乗用車と商用バス・トラックなどについて達成目標を掲げている。そうしたなかで、旧車を含めた排気ガス規制の緩和が難しくなる可能性も考えられる。
仮に、アメリカでの25年ルール対象車の排ガス規制強化が多くの州で決まっていくと、アメリカから日本の旧車に対する需要が減り、その結果として日本での旧車価格が値下がりに転じることも考えられる。
旧車市場の動向、これからも目が離せない。