この記事をまとめると
■雪国でしか見られない標識を紹介
■数多にある標識といえども全国でも数カ所しないモノまで存在する
■非降雪地の人でも頭の中に入れておくと出掛けた際は安心だ
降雪地域の多い日本でも、全国で数カ所しかない激レア標識がある
一番代表的なのが道路の脇になっている紅白二色の下向きの矢印。
これはサムアップの反対=サムダウンのポーズでもないし、レースにおけるペースダウンのピットサインでもない。雪が積もったときに道路と路肩の境界線を知らせる矢印で、「スノーポール」「矢羽根付きポール」などと呼ばれているもの。お役所的には「固定式視線誘導柱」という名称で、1965年頃から登場。この頃は簡易型で冬期のみ設置されていたが、1980年頃から現在の通年固定型が普及。
簡単にいえば、この矢印の下までが道路で、そこから外は路肩だったり、溝だったり、縁石だったりするので、雪で視界が悪いとき、積もった雪で道路の端が見えないときは、この矢印を頼りにそこからはみ出さないように気をつけよう。
雪国ではカーブなどに80m間隔で設置されていて、脱輪を防いだり、除雪車の除雪ラインの目印として役立っている。
青地にチェーンを巻いたタイヤの標識
これは2018年12月に導入された新しい標識で、タイヤチェーンを取り付けていない車両の通行を禁止する意味を表示する「タイヤチェーンを取り付けていない車両通行止め」の標識。
この標識が出ている区間では、スタッドレスタイヤ装着車であっても、チェーンの装着が義務づけられる。4WDやトラックでも例外ではない。雪深い地域に行くときは、スタッドレスタイヤを履いていても、チェーンを携行するのを忘れずに。
ただし、この標識でチェーン規制が行なわれる箇所は、今のところ全国で13箇所(直轄国道が6箇所・高速道路が7箇所のみ)に限られている。
高速道路のオレンジと青の標識
高速道路の路肩で見かけるオレンジと青のマクラーレンのF1マシンのようなカラーの標識は、「投雪禁止区域指定表示板」だ。
正方形の標識と十字型の標識が一組になっていて、正方形が区間の始点、十字型が終点の意味。
この標識の区間は、高速道路の下に道路や鉄道、住宅などがあるので、除雪車が雪を道路外に投げ捨てるのは禁じられている。
グーパー標識
雪国の標識の中でもかなりレアと言われているのが、ジャンケンのグーとパーのイラストが描かれた「グーパー標識」。山形県の酒田市や富山県など地域限定で導入されているもの。
意味は「パー」が凍結防止剤をまき始める地点、グーがまき終える地点を示している。「パー」など、節分の豆まきのようにも見えるが、撒いているのは凍結防止剤の塩カル(塩化カルシウム)だ。なお、この標識は「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」に定める標識には該当しないとのこと。
ちなみに塩カルは素手で触ると皮膚が炎症を起こす場合があるので、ゴム手袋などを使って触るようにしよう。