路肩に停車している車両が走っているように見えることも
それはやはり、重大事故、死亡事故につながりやすいからです。2013年に、人気のあったお笑いタレントが高速道路を走行中に中央分離帯に衝突し、様子を確認しようとクルマを降りたところ、後続車にはねられて亡くなったという報道に、胸を痛めた方も多いと思います。この事故では雨が降る中、夕方の視界の悪い時間帯で、しかもカーブの先で見通しの悪い場所だったという最悪の条件が重なってしまった末の悲劇でしたが、晴れていても、見通しがよくても、路肩に停車中のクルマに後続車が追突する事故は多発しています。
その理由として、後続車が路肩に停車している車両を「走行している」と誤認し、停車中だと気づいた時にはブレーキが間に合わずに追突するケースが考えられます。また、疲れて注意力や集中力が低下したドライバーには、ハザードランプとブレーキランプの区別がつきにくくなるケースもあるそうです。そんな時、停車車両から人が降りていて、影に隠れて見えにくい状態だったりしたら……。
実際、交通事故分析センターがまとめたH15-24年の「高速道路における事故類型別の死亡事故割合」では、「車両相互(追突)」0.68%、「車両単独」5.98%などに比べて「人対車両」が15.65%と突出して高い割合を占めており、むやみに高速道路上に停車したり、降りることがどれほど危険かを示しています。
さらに高速道路の本線上では、ドライバーは「まさかこんなところに人がいるとは思っていない」状態のため、人を見てもそこから危険だと認識するまでに一般道よりも時間がかかっているというデータもあります。
ほんの少しだから、という軽い気持ちで路肩に駐車・停車した結果、重大事故、死亡事故につながってしまう可能性は思っている以上に高いです。軽率な行動で命を無駄にしないよう、しっかりルールを守りたいですね。