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【試乗】e-tron GT quattroがアウディの解答! EVでも思いっきり楽しいクルマを作ってきた (2/2ページ)

【試乗】e-tron GT quattroがアウディの解答! EVでも思いっきり楽しいクルマを作ってきた

この記事をまとめると

■アウディのハイパフォーマンスEV e-tron GT quattroに試乗

■モーター駆動のAWDでもアウディらしい安定した走り

■4ドアモデルだが後席は狭め

速さは紛れもないハイパフォーマンスカー

 アウディの未来を告げ、アウディの理想を体現したAudi e-tron GT quattroに試乗する機会を得た。e-tron、つまりBEVの4ドアスポーツクーペであり、J1パフォーマンスプラットフォームと呼ばれる基本部分はポルシェ・タイカンと共通だ。quattroはもはや前後に配置された2基のモーターで駆動する新世代電動4WDシステムであり、前後トルク配分は100:0から0:100まで連続的、完全可変的に変化するのだが、その可変スピードは電動化によって機械式quattroの5倍のスピードだというから駆動配分は電光石火の自在度があると言っていい。

 Audi e-tron GT quattroの実力を端的に表せば、駆動用バッテリー総電力量93.4kWh、最高出力390kW、最大トルク640N・m、0-100km/h加速4.1秒。一充電走行可能可能距離は電動グランツーリスモに求められる534km(WLTCモードのカタログ値)を達成している。ちなみに0-100km/h加速4.1秒は、かつてのアウディS8(2012)、アウディR8スパイダー(2009)、ポルシェ・パナメーラGTS(2018)あたりに匹敵するハイパフォーマンスである。

 4ドアクーペといっても先進感、プレミアム感溢れるスーパーカー的佇まいを見せる、可変式エアインテーク&リヤスポイラーを備えるエクステリアは、とにかく低くワイド。ボディサイズは全長4990×全幅1965×全高1415mm。ホイールベース2900mm。RS7 Sportbackよりさらに低く構えた、CD値0.24を誇るアーティスティックと表現できる流麗なプロポーションがただならぬ存在感を示している(ボディ下部はディンプル付きアンダーカバーによって真っ平である)。

 試乗車の足もとを引き締めるのは、標準のフロント:225/55R19、リヤ:275/45R19からオプションとしてグレードアップされたフロント:245/45R20、リヤ:285/40R20サイズのピレリP7。この20インチ、または21インチホイールを選択すると、ブレーキはタングステンカーバイトコーティングが施され、ブレーキダストが90%低減。環境により優しくなるとともに、ドイツ車の悩みの種でもあるホイールのブレーキダスト汚れ防止にも効果があるはずである。

 充電に関しては、家庭用200V普通充電、そして外出先の90kW急速充電が可能で、後者では約30分で最大250km以上の走行が可能になるという。

 サステナビリティの面では、サステイナブルな未来をトータルに追求したAudiの取り組みを象徴するレザーフリーパッケージを用意。つまり、リアルレザー(本革)をいっさい使用せず、しかし人工皮革(アルカンタラ)とリサイクル素材から抽出したポリエステル繊維などをシートや車内各部に採用することでアウディ一流のプレミア感を演出しているのである(試乗車もそのパッケージをオプション装備)。

 デジタルコクピットに潜り込めば、そこはAudi最新世代のテクノロジーを取り入れた先進のインフォテインメントに囲まれたプレミアムな世界。確かに車高、レザーフリーパッケージに含まれるスポーツシートプラスの着座位置はごく低いものの、身長172cmの筆者であれば、無理のない姿勢での乗り降りが可能であった。

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