市販車ベースでありながら走りはレーシングカーそのもの
そのほか、「ロードスター・パーティレース」も改造範囲が厳しく制限されているレースで、ロールゲージや5点式以上のシートベルト、牽引用フック、消火器などの安全装備、そして、指定のブレーキパッドやホイールなどを除けば、ほぼノーマル状態のマシンとなっており、それゆえにスタートからチェッカーまで僅差のポジション争いが展開されている。
一方、ラリー競技に目を向ければ全日本ラリー選手権のJN1クラスに参戦する国際規定のR5仕様車は純レーシングカーであり、スバルWRXやトヨタGRヤリスなどの国内規定モデルに関しても改造範囲が広く、スーパー耐久の経験を持つ新井敏弘によれば「S耐のクルマより、ラリー車のほうがレーシングカー」と言わせしめるほど高いパフォーマンスを持つ。
しかし、下部クラスのマシンは改造範囲が厳しく制限されていることから、ほぼ市販モデルの状態だ。なかでもJN6クラスのRPN車両およびAE車両はノーマルの近い状態といっていい。具体的な改造範囲としてはロールゲージなどの安全装備に加えて、サスペンションやブレーキパッド、タイヤ&ホイールといった程度で、それゆえに比較的に少ない制作コストで参戦することが可能となっており、まさにビギナーに最適なマシンとなっている。
以上、簡単に市販モデルに近い状態のマシンで争われる競技とその車両を紹介してきたが、いずれもほぼノーマルに近いことから、上級カテゴリーのモンスターマシンと比べると迫力不足は否めない。しかし、僅差のバトルはドライバーにとってもギャラリーにとってもスリリングなポイントで、マシンの性能格差が大きい上級カテゴリーよりも緊張感のあるバトルを楽しめるようになっている。