メーカーが作ったのがウソのような違和感! 日産AD MAXの「異形」スタイルは二度見必至だった (2/2ページ)

日産には今ではありえないような衝撃のバンがあった!

 そんなフルゴネットスタイルを採用した国産車があったことはご存じだろうか。

 それが日産のAD MAXだ。日産のライトバン「AD」シリーズの2代目をベースにしたフルゴネットモデルである。欧州フルゴネットの伝統に則り、バックドアは観音開きタイプとなっている。

 真後ろから見ればカングーそっくり。ルノーとアライアンスを組むずっと前の日産車に、そんな印象を受けてしまうのは不思議なものだが、それは両モデルがフルゴネットスタイルの文法を踏襲していると思えば、当然の話だ。

 AD MAXならではのポイントといえるのが、運部分の上方に一辺が斜めになった四角形の窓が付いていること。これによって単なる積載性に優れたクルマではない、遊び心を表現していた。

 そんなAD MAXには商用バンと乗用ワゴンの2タイプが設定されていた。ボディの基本形状は共通だが、フロントセクションは異形ヘッドライトのワゴンと、いわゆる規格の四角いランプのバンとなっていて、明確に差別化することでワゴンの価値を高めていたのも、90年代に登場したクルマにしては時代の先端を行っていた。

 そんなAD MAXは中古車市場で見かけることはほとんどないが、折からの車中泊・ライトキャンパーのブームにぴったりのスタイルが一部で再評価されているところだ。そうしたこともあって、見つけたときには年式の割には高値をつけていることが多い。

 いずれにしても、出会ったらすぐに契約するくらいの気持ちでいなければ入手困難なレア車であることは間違いない。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
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