三菱の2021年の販売台数は前年に比べて約11%増
もっとも注目されるのは三菱で、2021年は前年に比べて約11%増えた。台数自体は7.8万台だから多くないが、デリカD:5が昨年に比べて30%以上多く登録され、eKスペース+eKクロススペースも約13%増えた。
デリカD:5は2019年の大幅な変更に続いて2020年にも改良を実施しており、今は三菱車のなかでは好調に売られている。ただし2020年は、2019年に比べると三菱全体で32%減ったから、2019年と2021年を比べても、25%の減少になってしまう。つまり2年間で見ると、三菱も大きく減少しているのだ。
トヨタは減少したものの減り方が少なく、2021年の対前年比はマイナス約2%に留まった。2021年を2019年と比べても8%の減少に収まる。直近では納期を遅延させるトヨタ車が多い一方で、2021年にはカローラクロスやアクアが発売され、前年に登場したヤリス、ヤリスクロス、ハリアーも堅調だ。トヨタはこの1〜2年に人気車を多く発売したから、新型コロナウイルスによる販売の落ち込みも抑えられた。
軽自動車を中心に扱うスズキとダイハツも、対前年比の減少が3〜4%に収まった。軽自動車もパーツやユニットの生産が滞るが、この2メーカーは減少の仕方が少ない。軽乗用車については、ワゴンRスマイル、ハスラー、タフトなどが堅調に売れて、両社の需要を支えた。
輸入車では、ジープ・ラングラーが堅調に売られ、ブランド全体の登録台数を押し上げた。2021年のジープブランドは前年に比べて1〜2%増えている。
ラングラーは第二次世界大戦で活躍したミリタリージープの子孫ともいえるクルマで、悪路向けのSUVだ。日本では走破力を発揮させにくいが、最近はシティ派SUVが膨大に増えて、ユーザーも飽食気味になってきた。そこで悪路向けSUVが注目され、ジムニーなどと併せて、ジープ・ラングラーも好調に売られている。このほかプジョーも微増になり、定番のドイツ車以外のブランドが伸び始めている。