この記事をまとめると
■2年ぶりに大阪オートメッセ2022が開催された
■トヨタ神戸自動車大学校のブースには新車のような2代目ソアラが展示
■学生がフルレストア&オリジナルエアロで仕上げたモデルを紹介
ブラックの車体を当時1番人気だった白に全塗装
2月11日(金・祝)から13日(日)までインテックス大阪で開催された「第24回大阪オートメッセ2022」において、4号館にブースを構えるトヨタ神戸自動車大学校は、昭和62年(1987年)式の2代目ソアラを同校車体整備専攻科3期生の手でフルレストアのうえ、オリジナルのエアロパーツを装着した車両を展示した。
直近のコロナ禍の動向を受けて、今回学生たちは残念ながら自宅待機となったものの、監督役となった同校の槌道直昭(つちみちなおあき)先生に、製作の経緯や苦労話を聞くことができた。
今回のベース車両は関係者から「授業の一環ということなら」ということで、特別に譲り受けたものだが、それ以前に所有していた一般ユーザーが大切にしていたことがうかがえるほど、車両の状態は良かったそうだ。
だがそれでも、すでに車齢は35年。すべての部品を取り外してみると、ボディやサブフレームには車齢相応に傷や凹み、割れやサビ、穴あきやパテ盛りの跡が点在していたという。
それらを一つひとつ清掃、補修したうえで防錆塗装を施し、ボディカラーをベース車のダンディブラックトーニングから、当時一番人気だったクリスタルホワイトトーニングに全塗装。難易度の高い3コートパール&2トーン色ということもあり非常に苦戦したようだが、実車は非常に綺麗に仕上がっていた。
内外装や機関系、補機類の部品は、すでに欠品し入手できないものも多いため、可能な限り流用、清掃しつつ、新品部品が存在し交換したほうが良いものは交換。場所などを間違えないよう慎重に組み付けつつ、エンジンルーム内のパイプには鏡面磨きを施している。
だが、学生たちがもっとも苦戦したのは、オリジナルのエアロパーツ製作。ボディと綺麗に合わせようとしても上手く合わず、切削加工してもその間にFRPの湾曲が進むなど、一筋縄ではいかなかったようだ。
今回出品したソアラの製作を始めたのは昨年夏頃で、完成したのはオートメッセ開幕のつい一週間前だったとのこと。その間に1カ月間のインターンシップなども挟むため作業にかかりきりにはなれないという、時間的な制約も厳しい中で、とりわけレストアを施した箇所は新車と見紛うばかりの完成度だった。