BMW X3のモデル変遷を解説!
「BMW X3」が今回の最新マイナーチェンジに至るまで、どのような変遷を辿ってきたのでしょうか。
歴代モデルを振り返ってみましょう。
初代「BMW X3」
「SAV(スポーツ・アクティビティー・ビークル)」という新たなコンセプトのもと、1999年に発売されたプレミアムSUV「X5」の成功を受けて、BMWは「X5」シリーズよりひと回り小さく、排気量や価格も抑えたモデル「BMW X3」を発表、2004年より販売が開始されました。
初代モデルでは2.5L直列6気筒エンジン搭載の「2.5i」(最高出力192馬力)と、3L直列6気筒エンジン搭載の「3.0i」 (最高出力231馬力)という2つのラインナップが用意され、サイズは全長4565mm×全幅1855mm×全高1675mm。ドライブトレーンは5速ATとフルタイム4WDが組み合わせられました。
コンポーネントは「BMW 3シリーズ」のE36、E46と共通で、初代「X3」は「X5」をただコンパクトにしただけではなく「BMW 3シリーズ」の軽快感を踏襲しています。
発売開始から1年後の2005年11月には「Mスポーツパッケージ」が発表され、2006年には初のマイナーチェンジモデルを発表。
新しく開発された直列6気筒エンジンと6速ATが搭載され、グレード名も「2.5si」と「3.0si」に変更されました。
2008年式以降の「X3」では、インテリジェント4WDシステム「xDrive」にちなんで「xDrive25i」と「xDrive30i」グレード名が変更されています。
2代目「BMW X3」
2010年にフルモデルチェンジが発表され、2011年式より発売開始となった2代目の「BMW X3」。
デザインをキープコンセプトとしながらも、ヘッドライト、キドニーグリル、ボディーサイドのラインなどが変更され、迫力が増したフロントフェイスやホイールハウスのブラックアウト化でSAVならではのヘヴィーデューティさを演出しています。
発売当初は3L直列6気筒エンジンのみの設定で、可変バルブリフト機構の自然吸気ユニットを搭載した「xDrive28i」(最高出力245馬力)、直噴、バルブトロニック、ツインスクロールターボチャージャーを搭載した「xDrive35i」(最高出力306馬力)の2グレートが用意されました。
基本スペックは、サイズが全長4650mm×全幅1880mm×全高1675mm、ホイールベース2810mmと拡大され、トランスミッションも8速ATに進化。
発売から1年後の2012年には、2代目「X3」エントリーモデルの「xDrive20i」が追加導入され「xDrive28i」グレードのエンジンが直列6気筒の3L自然吸気エンジンから直列4気筒2L直噴ツインスクロールターボエンジンに変更されました。
同年9月にはクリーンディーゼルエンジンを搭載した「xDrive20d Blue Performance」が加わり高い環境性能とトルクフルの両立を実現。
2014年にはフェイスリフトモデルが発表され、低燃費性もさらにアップしました。
3代目「BMW X3」
2017年、現行モデルとなる3代目の「BMW X3」が発表。
大型化されたキドニーグリルを中心にBMWの「X」シリーズらしいワイルドな印象を受け継ぎながらも、ボディーは流れるようなシルエットが印象的なデザインに変化しました。
クーペのようなルーフデザインを取り入れることによって空力抵抗の性能が大幅に上昇し、ミドルクラスSUVではトップクラスのCd値「0.29」を達成しています。
ヘッドライトとフォグランプにはLEDが標準装備となりました。
グレードは2L直列4気筒ツインパワー・ガソリン・ターボエンジンを搭載した「xDrive20i」(最高出力184馬力)と、2L直列4気筒ツインパワー・ディーゼル・ターボエンジンを搭載した「xDrive20d」(最高出力190馬力)が中心で、特別仕様の「Xライン」と「Mスポーツ」も同時に発表されています。
サイズは2代目に比べて全長が+55mm、全幅が+10mmとアップしていますが、重量は-55kgの軽量化に成功。
その後、3代目「BMW X3」では日本初導入となる高性能ディーゼルエンジンを搭載し、最高出力326馬力を誇るMパフォーマンスモデル「M40d」の発表や、積極的な特別仕様車のリリース、プラグインハイブリッドモデルの発表などを経て今回の最新マイナーチェンジに至っています。