トヨタは世界中でさまざまな環境に適応したクルマを提供
わかりやすいのはニュース映像だろう。日本、北米、欧州の街中を見ると、さまざまなメーカーのクルマが走っているが、政情不安の伝えられるミャンマーやアフガニスタンでは、トヨタ車比率が圧倒的に多い。事の是非は別にして、絶対に故障してはならない地域では、トヨタ車が多く使われている。
このトヨタ車の現状を考えると、ホンダのように「2040年までにすべてのクルマを電気自動車か燃料電池車にする」とはいえない。そこで必要に応じてバッテリーEVを投入できるように準備を進めてきた。
ところが最近は「トヨタはバッテリーEVに消極的で、世界の流れに乗り遅れている」という趣旨の報道も増えている。放置するとトヨタのブランドイメージや株価にも影響を与えるので、一気に披露したのだろう。「トヨタを舐めんなよっ!」という感じだ。
披露されたバッテリーEVのラインアップを見ると、bZ4Xを始めとするbZシリーズは現実的だが、ほかは「これが全部市販されるのか?」とも思う。
しかし2030年、つまり8年後には約30車種のバッテリーEVを用意して、世界で350万台を売ると宣言した以上、現実味も生じる。電気自動車といっても、クルマであることに違いはなく、大量に売るにはスポーツカーやピックアップトラックなどのカテゴリーも必要になるからだ。
エンジンと燃料タンクをモーターとバッテリーに置き換えたところで、我々のクルマの使い方や好みが大幅に変わるわけではない。8年後にバッテリーEVを350万台も売るには、この程度の車種バリエーションは必要なのだろう。