この記事をまとめると
■マツダ・ロードスターが商品改良をうけ、特別仕様車「990S」がラインアップされた
■青を基調としたアイテムを装備して車両重量はND型で最軽量の990kgに抑えられている
■全車に装備される「KPC」がアンチリフトを強調することでコーナーでの安定性を高めた
990kgまで軽量化が施されたアスリートな「990S」
世界タイトルに挑むボクサー。金メダルを狙う柔道家。軽さと筋力の高度なバランスが求められるアスリート達を思わせる。新しくマツダ・ロードスターのラインアップに加わった「990S」のことである。
「990S」の名称の語源は990kgに抑えられた車両重量にある。これまでの現行ND型最軽量はSスペシャルの1010kgだったというから、徹底したダイエットの痕跡が窺える。
990Sの識別点は、青を基調としたアイテムの数々にある。キャンバストップは青味かがっており、軽量化のためのレイズ製ホイールは黒、その奥には同様にブラックアウトされた軽量なプレンボキャリバーがあり、そしてブルーのブレンボの文字が添えられている。意外なことに、ボディ全体を観察しても「990S」のエンブレムはない。
インテリアにもブルーの意匠があるのだが、エアコン吹き出し口を取り囲むリングがブルーであり、フロアマットのロードスターのロゴが青と、識別点は細やかに留められている。
ただし、ND型史上最軽量の990Sには、剛性を高めたスプリングが組み込まれており、ダンパーの減衰力にも細工がしてある。微低速では減衰力を抑え、速い入力では確かな減衰力が発揮されるようにセッティングされているのだ。