WRCが一気に大改革! 「パドルもセンターデフもなし」でついに「ハイブリッド化」されたRally 1とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■2022年のWRCが開幕! 注目は各ワークスチームの最新モデル

■WRCはレギュレーションを一新して新たに「Rally1」を導入

■チューブラー構造のシャーシに1600cc直4ターボ+ハイブリッドで最高出力500馬力

レギュレーションが一新された2022年のWRC

 2022年のWRCが1月20日〜23日に開催された「ラリー・モンテカルロ」で開幕した。Mスポーツよりスポット参戦を果たした47歳のセバスチャン・ローブが通算80勝目を獲得し、最年長優勝記録を更新したことで話題を集めたが、同ラウンドでもっとも注目を集めたのが、各ワークスチームの最新モデルだと言えるだろう。

 2022年のWRCはレギュレーションを一新し、それまで主力となっていた「WRカー」を廃して、新たに「Rally1」を導入。このRally1規定モデルにおける最大の特徴が、エネルギー回生システムを持つハイブリッドシステムを搭載していることだろう。

 ハイブリッドシステムのサプライヤーはドイツのコンパクト・ダイナミクスで、バッテリーおよびモータージェネレーターを搭載。最大20kmのEV走行が行えるフルエレクトリックモードに加えて、SSでのスタート時の加速をサポートするステージスタードモード、さらに100kWのハイブリッドパワーを使用できるステージモードの選択が可能になっており、ステージモードでは3つのマップを作成しておくことで、SSに合わせたセレクトが可能だ。

 気になるエンジンは昨年まで使用されていた1600ccの直列4気筒ターボユニットがそのままキャリーオーバーされているが、ハイブリッドのEVブーストを使用することで最大500馬力の出力を発揮すると言われている。

 その一方で、コストを削減すべく、アクティブセンターデフが禁止されたほか、トランスミッションもバドルシフトが禁止され、シーケンシャルのみのシフトレバーとなったこともRally1規定モデルのポイントと言えるだろう。

 シャシーに関しては市販モデルのスチール製プレスボディを使用していたWRカーと違って、Rally1規定モデルはスペースフレームによるチューブラー構造が採用されており、ベース車両のボディサイズも拡大・縮小が可能となるなど自由度が拡大している。

 とはいえ、カナードなど空力デバイスが制限されており、ハイブリッドユニットを冷却するためのエアダクトは設けられているものの、攻撃的なシルエットは抑えられることとなった。

 ちなみに、車両規定に合わせて燃料も100%持続可能な非化石燃料に変更されており、合成燃料とバイオ燃料を混合したものを採用。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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