マツダを代表するご長寿モデルだった
そんな紆余曲折を経たポーターであるが、1969年には同じポーターの名前を冠した新型モデル「ポーターキャブ」が登場する。
こちらは独立したボンネットを持つポーターとは異なり、キャブオーバータイプの新設計のボディとなっており、シートの下に収められたエンジンもポーターとは異なり、当初から2気筒2ストロークのものが搭載されていた。
このポーターキャブは、その愛らしいルックスから未だに多くのユーザーに愛されており、とくに360cc時代のモデルはそのルックスから「ガチャピン」の愛称でも知られている。そのため、ポーターというとポーターキャブの方を思い浮かべる人も多いようだ。
なお、ポーターキャブは1977年8月にビッグマイナーチェンジを実施し、エクステリアを大幅に近代化。また軽自動車規格が変更されたことでボディサイズは拡大され、エンジンも550ccへと改められたことで、車名も「ニューポーターキャブ」となった。ただ、マツダとして新たな550ccのエンジンを作る余裕はなかったようで、ここからは三菱製のエンジンの供給を受けて搭載していた。
その後もマイナーチェンジを重ね、1980年代後半にはエアコンをオプション設定するなど延命措置を続けながら、なんと元号が平成となった1989年夏ごろまで販売を継続。その後はスズキからキャリイのOEMを受けた「スクラム」がその後を継いで現在に至っている。