問題になっている大型車のホイール脱落事故! 乗用車も「ひとごと」ではなかった (2/2ページ)

ナットの締め付けの緩すぎでも締めすぎでも起こりうる!

 これらは大型車の問題とはいえ、あまりに頻発していると乗用車も心配になってくるわけで、実際はどうなのだろうか? まとまったデータはなく、完全に脱落する例は少ないと思われる。ただ乗用車の場合、ナットが緩むというのはけっこう起こりうる事案で、締め付け不足がまず多い。プロの場合は締め付ける力を管理できるトルクレンチで締めるが、一般ユーザーの場合、持っていないこともあるし、緊急で履き替えた場合など、手もとにない場合がある。

 ホイールの締め付け具合は慣れていれば、ギュッと力を入れて問題ないようにはできるが、感覚的なものなのでわかりにくい。そのためまず起こりやすいのが締め付け不良で、次第に緩んでくることもある。大型車と違うのはネジ部分からの破断ではないので、緩んでくるとゴリゴリといった音や軽い振動が出るため、気がつきやすい。

 一方、深刻なのが締め込みすぎで、ネジ関係はホイールナットに限らず、外れないか心配になることもあって、力任せに締める例が多い。そのうえで、ネジ部分がサビや脱着の繰り返しによって傷んでいると意外とあっさり、ネジは切れてしまう。実際、ポロリと落ちてしまった例は何件か目にしている。締め込んでいるときに落ちればまだいいが、ギリギリでやめて、そのまま走ってさらにストレスが掛かったことで破断すると、最悪の場合、大型車と同じようにホイール毎脱落する可能性もある。

 心配で締め込みすぎる気持ちもわからないではないが、トルクレンチがない場合、ある程度の力で締め付けて、100kmぐらい走ったら再度緩んでいないかを点検して、必要に応じて増し締めをするのがいい。走行中の音や振動にも注意する。とにかく最初から一気に締めておしまいにしてはダメだ。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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