この記事をまとめると
■ネットオークションやフリマアプリで、スマートキーが大量に出品されているのを見かける
■中古車にはスペアキーがあったほうが評価が上がるというのがその理由だ
■事情や仕組みを詳しく解説する
想像以上にスペアキーがない中古車が多い
ネットオークションやフリマアプリを見ていると、リモコンキーやスマートキーが大量に出品されていることに気がつく。出品数が多いだけでなく、ひとつの出品で40個セットなどもある。しかも同じメーカーのタイプが一緒のものばかりだ。壮観ではあるのだが、それゆえ、犯罪のニオイもしたりする。なぜ大量に出品されているのか探ってみた。
結論から先にいっておくと、犯罪ではないようだ。中古車の流通で評価が高い条件のひとつがスペアキーがあることで、使用上の安心感はもちろん、前オーナーの管理の良さが伺えることなども理由だ。ただし、業者オークションでの出品を見てみると、すべての出品車両でスペアキーまで揃っているわけではない。むしろ想像以上にスペアキーがないクルマが多い。
そうなると、まず出品前にスペアキーを作っておけばいいということになるし、ないものを仕入れた場合、ユーザーに販売するときにはあったほうがいいので、やはりスペアキーを作りたいということになる。
とはいえ中古車なので、新車ディーラーに行って、わざわざ部品として購入するのはコスト増に直結するので、ネットで購入ということになる。もちろんお客さんがスペアキーを作りたいというときにも使えるし、キーのデザインや機能は同時期のクルマであれば共通なので汎用性も高く、中古車専門店であれば大量ストックをしても損はないだろう。
ただ、40個も同じリモコンキーを用意するのは一般的には至難の技で、廃車にするクルマからだけでなく、結局中古車のスペアキーを抜き取ることも行われているようで、卵が先かニワトリが先かになっているのも事実だ。ちなみに40個の場合、その多くはひとつ1000円から5000円ぐらいするので、理由はどうであれ格安もしくは無料で入手できる環境にあればそこそこの収入にはなる。年式は新しいほうが流通量が少ないので高い。
気になるのがスペアキーの登録方法、つまりメインキーのコピー方法だ。ここでは詳しく書かないが、ある一定の手順を踏んでいくと簡単にできるものが多い。
もちろんスマートキーに内蔵されている緊急用のアナログキーについてはすでに溝が切られているので、当然複製は不可となる。