「所有する経済的な余裕がない」と答えた人は61.1%
2つ目は、なにがなんでも「映え」は欠かせない要素だということ。今や誰もがスマホというカメラを持ち歩き、ことあるごとに写真を撮ってSNSなどに投稿して楽しむ時代。それは単に自慢したいということではなく、「これよくない?」と友人や仲間達と感覚を共有したい、ひとときの話題やつながりを楽しみたい、という気持ちの表れとも言えます。
ひそかに「MT女子」が人気となっている背景にも、「マニュアル車が映えるから」という理由で、最初はAT限定免許を取得した人たちが限定解除講習を受けにくるのも、やはり「映えたいから」という理由の人が目立つのだそうです。価格が高い・安いは関係なく、映えるポイントがあるか・ないか。そこが若い世代には重要な要素なのです。新車だけでなく、日産パオやラシーン、ワゴニアといった古いクルマに若い世代が乗っていたりするのも、やはり「映え」のせいと言えそうです。
3つ目は、少し前に日産キューブが若者たちに大人気となったことがあり、その際にクローズアップされた「マイルーム感覚」。これはいまだに、若い世代がクルマに求めるものの1つとなっています。欲しいクルマランキングに入っているアルファード、N-BOX、タントなどはまさにその顕著な例と言えるでしょう。このご時世、デートだからといって毎度毎度、お金のかかるテーマパークなどへ行っていては、お互いにとって負担になります。
そこで、景色のいい場所などにクルマを停めて、そのなかで何時間もおしゃべりしたり、スマホにダウンロードした映画やYoutubeを見たり、寝転がってみたり。飽きたらちょっと走って、ドライブスルーで何か食べたりして過ごすのが定番、という若者は多いですね。ミニバンのように広くなくても、どこかにリラックスできる要素、快適に車内で過ごせる要素があることは、大きな魅力となっているようです。
最後に、アンケートの中で「今後クルマを購入予定である、または購入したいと考えている」という人は53%と半数を超えたのに対して、「クルマを所有する経済的な余裕がない」と答えた人が61.1%もいるという現実。これこそが今もっとも解決しなければいけない問題点であり、いま若者が切実に願うのは「欲しいクルマが買える世の中にして欲しい」ということではないでしょうか。「同年代で車を所有している人が格好いいと思う」46.1%(思わない24.2%)、「車を所有している大人(自分より上の世代の人)は格好いいと思う」48.9%(思わない21.1%)。この結果からも、乗りたくても乗れない若者がどれほど多いのかがわかると思います。どうか、若者たちが思い切り好きなクルマで楽しいカーライフが送れる世の中になりますように。