現状ノア&ヴォクシーのほうが頭ひとつ上かも……?
ステップワゴンの使いにくさのひとつだった、2列目キャプテンシートは、新型ではロングスライドはもちろん、念願の左右スライドをついに備え、新型ノア&ヴォクシー同様に、オットマンも用意(新型ノア&ヴォクシーではオプション。ステップワゴンではグレード別設定)。もっとも、新型ステップワゴンのキャプテンシートを最大限ロングスライド(865mm/新型ノア&ヴォクシーは745mm)させるには、先代ノア&ヴォクシー同様、2座のキャプテンシートを内側に寄せる必要がある。とはいえ、寄せずにスライドさせたときのスライド量610mmを確保しているから、2列目キャプテンシートの仕様については、ノア&ヴォクシーとステップワゴンは実用上、細かい部分を除いてほぼ互角になったと言っていい。
そしてMクラスボックス型ミニバン最大のウィークポイントと言える大きなバックドアの開閉性については、ノア&ヴォクシーは世界初の”からくり”を使ったフリーストップバックドアを全グレードに採用。任意の位置で、一度バックドアを止め、ちょっと押すことでバックドアを固定することができるようになったのだ。ちょっと開けただけでは荷物の出し入れが難しいと思いがちだが、実際にやってみると、ほんの少し開けただけでも、背の高さが功を奏し、サイドから入り、大人がバックドアのなかに立つことが可能で、車体後方にスペースのない場所でも、荷物の出し入れは意外なほどラクラク。
また、パワーバックドア装着車では、任意の位置で止められるのはもちろん、スイッチをボディサイド後方に設置したことで、大きなバックドアを開ける際、バックドアが体に接触する使いにくさを回避。あるようでなかったなかなかのアイディアだと思える。
では、実用性はピカイチだったわくわくゲートを廃止した新型ステップワゴンはどうしたかと言えば、スパーダ限定のパワーバックドア装着グレードに限り、リモコンキーで縦開きのみになったバックドアを任意の位置で止めることができるようになっている。とはいえ、全グレードにフリーストップバックドアが付く、新型ノア&ヴォクシーが、バックドアの開閉機能、開閉容易性については、一歩リードしているように思える。
先代同士の比較で、ハイブリッド車の走行性能、快適性、運転の気持ち良さについては、筆者の比較試乗の経験からは、ステップワゴンがリードしていた(燃費性能はほぼ互角)。しかし、両新型車をまだ試乗していない現時点での、走行性能を含めない印象としては、ボックス型ミニバンに今求められているデザイン性、トヨタ車、国産実用車最先端と言っていい先進運転支援機能の充実度、超実用性(オプションのアドバンスドパーク機能では、スマホによるリモート出庫まで可能だ!!)を含め、新型ノア&ヴォクシーがややリードしていると感じている。
ただ、新型ステップワゴンの全容がまだ明らかになっていないので、最終的な比較、結論は、新型ステップワゴンが発売され、両車の同時比較試乗が可能になる春を待ちたい。