オペル上陸にはステランティスの戦略だ
さて、オペルはなぜ、このタイミングで日本再上陸を決めたのか?
背景にあるのは、ステランティスの多様なブランド戦略だ。ステランティスは2021年1月、FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)とグループPSAが合併して誕生した自動車コングロマリット(集団)である。
特長は、フィアット、アバルト、アルファロメオ、ランチャ、マセラティ、クライスラー、ダッジ、ジープ、ラム・トラック、ボクソール、プジョー、シトロエン、DS、そしてオペルの合計14ものブランドがひしめいていることだ。
ステランティスの経営方針では、それぞれのブランドが商品性に対する選択と集中を明確に行う。そうしたなかで、オペルは60年代から70年代に斬新なデザインテイストで世界を魅了した時代を彷彿させながらも、近未来に向けた新たな価値観を提唱している。
オペルは、日本に展開していた14年前の時点ではGM系列の企業体系であり、その後に2017年にグループPSA傘下となったが、ステランティスの一員となった今、マーケティング戦略は大きく代わり、日本市場でのビジネスチャンスを見出そうとしている。
その中で、オペル陣営にとって、日本市場でのモッカに対する期待度はとても高い。欧州系コンパクトSUVの新顔、モッカの動向に注目していきたい。