この記事をまとめると
■1980〜90年代、独特なスタイリングが目立つサーブ900の姿をよく見かけた
■高性能の証だったターボをスポーツカーではない普通のクルマに採用して脚光を浴びた
■経営難から資本が転々として現在は自動車事業から撤退している
50代には懐かしく20代には新鮮なスタイリング
今、サーブという名前を聞いて、「懐かしい」とか「あの頃、憧れだった」といった感想を持つユーザーも少なくないだろう。年代としては、50代以上がメインになると思う。
時計の針を少し戻すと、1980年代後半から90年代前半。いわゆるバブル期には、東京・六本木や青山周辺などの大都市中心部で、独特なスタイリングが目立つサーブ900の姿を数多く目にしたものだ。
外観のみならず、サーブ900の特長はターボエンジンにあった。当時、量産車でターボチャージャーを搭載するモデルはかなり少なかったが、それをスポーツカーではなく、ラグジュアリー感があって普段使いできるモデルに搭載したことで、「北欧のサーブは凄い」という声が富裕層の間で広まっていった。
北欧の自動車メーカーといえば、同じくスウェーデンのボルボがある。ボルボは高い衝突安全性と、北欧デザインを強調したスタイリングや内装が日本でも幅広い層から支持を得た。直近では、EV専業メーカーへのシフトを表明するなど、グローバル市場の最前線で活躍している。