この記事をまとめると
■自動車メーカー謹製の「ルーフトップテント」を標準装備したモデルがあった
■その先駆けとなったのが1995年に登場したマツダ・ボンゴフレンディだ
■1996年にはオデッセイに、1998年にはステップワゴンにフィールドデッキが設定された
ルーフが持ち上がってテントに早変わり
車中泊やオートキャンプなど、アウトドアとクルマの相性はとてもいい。車両の純正装備としてもフックやボードなどを用意していて人気だったりする。キャンプブームだから当然とはいえ、その昔もっと大胆な装備があった。それがルーフが持ち上がるポップアップルーフ仕様車だ。
今でもキャンピング仕様では特装車としてあるが、あくまでも専門メーカーによる改修という位置づけ。そうではなく、かつては自動車メーカーが最初からあつらえたものがあった。
まずお馴染みなのが、マツダのボンゴフレンディだ。そして、当時は話題になったものの、現在では少々忘れ去られた感があるのが、ホンダのフィールドデッキで、初代ステップワゴンに加えて、初代オデッセイにもあった。ちなみにオデッセイが1996年で、ステップワゴンは1998年にそれぞれ設定されている。また、ボンゴフレンディは1995年に登場しているので、ホンダが意識した上で登場させている可能性は高い。実際、当時も現在のようにアウトドアブームだった。
そもそもベースはミニバンというよりも、エンジンが運転席の下にあるキャブオーバータイプのワンボックスで、ディーゼルも用意されて力強い走りが楽しめた。もちろん現在のようなクリーンディーゼルではなく、振動も黒鉛も出たが。
ルーフの上に開閉式のテントを付けたのは、じつは初代デリカなどに先例はあったとはいえ、画期的だったのは事実で、仕組みとしてもかなり凝ったものだった。この部分の架装はルーフまわりの専門メーカー、サンキョウ・べバス(現べバスジャパン)が手掛けているというから当然ではある。