秒で寝られるありがたさ! かつてメーカー謹製の「ルーフトップテント」を標準装備したアウトドア最強車があった (2/2ページ)

先行するマツダにホンダが追従した

 注目なのが電動で開閉するルーフトップテントで、サンルーフ感覚で気軽に開け閉めができた。開けると大人ふたりが寝られるほどのスペースが出現(マイナーチェンジでさらに拡大)。フロアにはマットが敷いてあったし、サイドの布部分はファスナーで開閉できる窓のようになっていた。さらに、天井にはサンルーフ状の窓が付いていて、自然光を入れることができた。

 ルーフへの出入りには、床というか本来のルーフにフタ状の扉が付いていて、そこから行った。上に人が寝てしまうと開閉不能になるのは仕方がないとして、荷物のやり取りなどには小さな穴を付けて対応。車内灯も付いているなど細かい配慮が行き届いており、ヒットしたのもうなづけるおもてなしぶりだ。

 気になるのは現在、壊れた場合部品が出るかということだが、若干欠品はあるものの、全体としてはほぼ供給はされている。ちなみに故障としては布の劣化と開閉モーターの不具合が出るようだ。

 一方、そのブームに追従したのがホンダで、かなりボンゴフレンディを意識したものとなっている。ただ、あくまでもグレードのひとつに過ぎなかったことから価格を抑える必要もあってか、電動ではなく、素材をFRPとすることで軽量化して手動開閉にしている。

 また、サイドは網で天井に天窓が付いているのはフレンディと同じ。オリジナルの構造として、出入り口は前後ふたつ設置されていて、上に人がいても出入り可能だったし、さらにオデッセイではポップアップルーフ上にルーフレールを装備していたのはアウトドアユースではありがたかった。

 現在では安全性や重量増による燃費への影響などがあるし、安易に装備してアウトドア&キャンプブームが去ったあとどうするかという問題もあって、採用は難しいかもしれないが、あればかなり話題になる装備なのではないだろうか。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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