180km/hは足枷つきの姿! もしもスピードリミッターがなければ「あなたの愛車」は時速何キロ出るのか? (2/2ページ)

公表値で400km/hオーバーのモンスターも存在

 では、現状の最高速性能がどうなっているのか、非常に気になるところだが、公表値として発表されている数値をいくつか調べてみた。知り得る限りの世界最速は、ケーニグセグ・アゲーラRSで1176馬力の5リッターV8ターボエンジンと1395kgの車重から、最高速度447km/hをマーク。

 8リッターW16気筒エンジンを4つのタービンで過給、最高出力1500馬力、最大トルク163kg-msという途方もない性能を持つブガッティ・シロンも、2トンの車重を背負って420km/hの最高速度を記録。シロンの場合、計算値では480km/hも可能だとか。いずれにせよ、アゲーラRS、シロンとも化け物であることに違いはない。

 もう少し現実的(?)なクルマに目を向けると、イタリアンエキゾチックの代表格であるフェラーリとランボルギーニの最高速値がどんなものか調べてみたが、それぞれの最強モデル、フェラーリ812スーパーファストとランボルギーニ・アヴェンタドールSVの公表値を見てみると、812が340km/h以上(6.5リッターV12、800馬力、車重1525kg)、アヴェンタドールSVが350km/h(6.5リッターV12、770馬力、車重1525kg)となっている。

 実際のところ、現行フェラーリでは、F8トリブート(3.9リッターV8ツインターボ、720馬力、車重1330kg)も812と同じ340km/hの最高速値となっているが、これはエンジン出力、空力性能などを総合した結果で、これほどの超高速域になると、すべての性能が密接に関わってくることを瞬時に理解できる一例だ。また、公表値の正確性がどの程度であるのかも、じつは不鮮明である。

 さて、こうなると気になるのは日本車の雄、動力性能、走行性能を看板にしてきた日産GT-Rの実力だが、最高性能を持つNISMOグレード(3.8リッターV6ツインターボ、600馬力、車重1745kg)で見ると328km/hの性能を持つことが記されている。2シータースポーツではなくツーリングカーボディのGT-Rを、スーパースポーツカーと同じ土俵で較べるのは不公平なようにも思えるが、逆に、このクラスのスポーツカーと遜色ない最高速値を持つことにGT-Rの真価があると言えることにもなる。

 トヨタ系スポーツモデルのフラッグシップとなるスープラは、2リッター直4ターボ(255馬力)、3リッター直6ターボ(387馬力)とも公表トップスピードは249km/hと発表されている。ドイツメーカーのスピード基準(250km/hでリミッター作動)に合わせたような設定で、3リッターターボ車はこれ以上の性能も十分可能なように思える。空気抵抗、走行抵抗などを考慮しても280km/hに届くのではないかと推測される。

 現代の自動車工学は、燃費性能向上(=排出ガスの減少化)のため機関効率や空力性能の対策が進み、結果的に、以前のモデルより高速性能で有利になる要素を備えている。同じことは、走行系の抵抗減少についてもいえ、同じエンジンパワーで得られる最高速性能は向上するかたちとなっている。ただ、安全対策や車体自体が大型化することで車両重量が増え、加速性能では不利な要素も備えている。

 いずれにしても、その速度域までに使う、使わないは別問題として、ユーザーにとってクルマの性能値は高いほどありがたい(嬉しい!)ことは間違いない。


新着情報