最近タイヤメーカーがしきりに配合をアピールする「シリカ」って何もの? (2/2ページ)

シリカはゴムと混ぜにくい

 かなり万能かつ高性能な素材なのだが、今まで普及していなかったり、カタログで大々的に採用を謳うにはワケがある。それはゴムと混ぜにくいというもの。従来のカーボンブラックは逆に混ざりやすいだけに、新たな課題として出てきたというわけだ。

 カップリング剤と呼ばれる異なる素材を結びつける成分の選択、混ぜる温度や時間を高度にコントロールする必要があり、各メーカーのノウハウが必要となるだけに、採用を大きくアピールしているということがある。配合量は最近のタイヤでは大量といってよく、逆にカーボンブラックはかなり減ってきている(使っていないタイヤもある)。

 さらにシリカにも弱点はあって、絶縁素材であること。タイヤは回転する際に静電気を帯び、そのまま帯電していると性能が低下してしまう。トヨタのアルミテープがいい対策例だ。カーボンブラックは炭素なので導電性が高く問題はなかったが、シリカではこの点が問題。その対策としてアース線をトレッドに埋め込んでいる。よく見ると数本の筋が入っていて、溝が細かくないバイク用だとわかりやすいので、機会があったら見てみてほしい。

 最後に、これは欠点とまではいかないが、シリカは白いので大量に入れると黒さが出ないというのがある。わざわざ色をつけていたりするが、最近のタイヤは新品でも灰色っぽいのはシリカが原因だったりする。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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レストア、鉄道模型(9mmナロー)、パンクロック観賞
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