コストを押さえてラインアップを拡充する日産の戦略も評価
ノートについては、日産の戦略も評価した。今までの日産は国内を軽視して、新型車の投入が2年に1車種程度に滞った時期もある。2021年における国内メーカーの販売ランキング順位も、トヨタ、スズキ、ホンダ、ダイハツに次ぐ5位だ。
しかしノートは国内向けに開発され、上級シリーズのノートオーラも加えた。装備の違いを差し引くと、実質的にはノートに16万円を上乗せすると、ノートオーラの上質な内外装、動力性能、走行安定性などが得られる。逆にいえばノートのオプション価格が割高なのだが、ノートシリーズが、少ない開発コストで優れた効果を得ようと頑張っているのは確かだ。
とくに標準ボディのノートに、SUVのオーテッククロスオーバー、上級のノートオーラ、スポーツモデルのオーラNISMOを加えて、幅広いユーザーのニーズに応える戦略は、投資対効果が優れている。
日産の現状を見ると、アリアの販売しているのか否かが分からない失態も含めて、国内重視になったとはいえない。しかし以前に比べると、国内へ目を向けるようになった。
今後は次期セレナにクロスオーバーを用意したり、エクストレイルにハイウェイスターを設定するなど、幅広いユーザーのニーズに応える工夫を凝らして欲しい。今後の日産に向けた期待を込めて、ノートに10点を投じた。