パッドが限界に近づいている場合もキーキーという音がする
以上が一般的なメンテとしての鳴き止め方法なのだが、根本的に別の原因で起こっていることもある。まずよくあるのが、パッドが摩耗限界に近づいている場合。輸入車の場合はバッドにセンサーが埋められていて減ってくると警告灯が付くようになっているが、日本車の場合はパッドの横に金属の出っ張りを付けて、減るとそれがローターに当たるようになっている。
キーキーとかなり大きな音がするので、クルマに詳しくない人でも我慢できずにプロのところに持っていくだろうという考え方に基づいている。
そのほか、ペダルを踏んでいない状態で、回転に合わせてヒューと小さく鳴く場合はバッドの戻りが悪いことが考えられる。ペダルを踏むとキャリパー内のピストンがパッドを押してローターを挟むが、元に戻すのは自然の力のみで、スプリングなどは使用していない。そのため、キャリパーのメンテを怠っているとピストンの動きが渋くなって戻りが悪くなるため、パッドとローターがわずかに当たってヒューという音がする。
厳密に言うと回転抵抗になっているので、燃費に悪影響を及ぼすこともある。最近では強制的に戻す仕組みになっているクルマもあるが、それはごく少数。音が気になるほど出る場合はオーバーホールも含めたメンテが必要となってくる。
摩耗以外では鳴きが発生してもすぐに深刻な事態にはならないが、不快だったりするので、ディーラーや修理工場など、プロにしっかりと点検してもらうようにしたい。