この記事をまとめると
■半導体不足は完成車だけでなくカーナビの納期にも影響を与えている
■カーナビのメーカーによっては完成車の納車よりも遅れる場合がある
■車両の納期遅延に加えてカーナビの納品にも心配をしなくてはならない状況となっている
半導体不足がカーナビの納品にも影響
自動車ディーラーのセールススタッフと話をしていると、現状の完成車の納期の遅れは悩みの種となっているのがよく伝わってくるのだが、オプション装着するカーナビも、完成車もしくはそれ以上の生産遅延となっており、さらに頭を悩ましているようであった。
頭を悩ませているのは、カーナビの選択について、ディーラーオプション設定のカーナビがメインとなっている車種の場合。オプションカタログを見れば、ディーラーオプションのカーナビには、”松竹梅”のように機能が簡素化されたエントリーモデルからコネクテッド機能まで有するハイエンドモデル、さらに画面も7インチや9インチなど多種多彩なものが用意されているのが一般的。メーカーによってはラインアップすべてが同一メーカー製ということもあるが、多くのケースでは複数のカーナビがラインアップされており、それぞれOEM(相手先ブランド製造)供給しているメーカーが異なるのである。
そして、最近商談をしている時にセールススタッフが「カーナビはどうしますか?」と聞いてきて悩んでいると、「もしこだわりの機能とかなければ、こちらのモデルをおすすめします」とセールスマンが勧めてくるのだが、その理由が「こちらだと新車をご納車する時に同時装着できる可能性があります」と言ってくるのだ。
半導体の世界的な不足はすでにご承知かと思うが、自動車用半導体よりも一般向け半導体のほうが供給体制は厳しいといわれている。そのなかで、メーカー純正カーナビの製造を請け負うメーカーのなかでも、半導体の入手状況に差が出ており、それが製品の供給体制の差を生んでいるというのである。
そして、セールススタッフはいままでの実体験から、「このメーカーはまず納車までに間に合わないが、こちらは間に合うことが多いです」とお客に説明しているのである。しかし、「間に合いますよ」とはけっして言ってこない、いまのクルマだけでなく各種製品の納期遅延は、まさに”一寸先は闇”状態なので、確実なことは何も言えないのである。