新型アトレーも原点回帰! 「4ナンバー化」はユーザーにとってメリットだらけだった (2/2ページ)

軽トラは「安いから」ではなく「楽しいから」選ばれている

 それだけでなく、「軽バン」や「軽トラ」と呼ばれる軽商用車には、一般的な自動車のヒエラルキーとは別の世界観を感じるユーザーが増えている印象もある。

 YouTubeで芸能人が軽トラをカスタマイズして楽しんでいる姿を見ると、お金がないから軽トラに乗るのではなく、軽トラだから気軽に楽しめるという風にポジティブに感じている人も多いだろう。またYouTubeといえば、軽バンでの車中泊というのも、クルマ関係では一大勢力といえるカテゴリーとなっている。

 ハイエースなどの大きなワンボックス車で贅沢なキャンパーを作り込むのではなく、あえてスペースが限られた軽バンを選ぶことでオーナーのアイデア次第で楽しみが広がっている様を多くの視聴者は楽しんでいる。チャンネルによっては海外視聴者のほうが多いくらいで、世界的にも軽商用の楽しみ方は評価されている。

 お金がないから軽バン、軽トラを選ぶのではなく、箱庭や盆栽に似た感覚で軽商用車を楽しむというのがブームなのだ。まさに自動車文化の新しいカテゴリーとなりつつある。

 ダイハツ・アトレーの商品企画において、そうしたトレンドが生まれることまで意識していたかどうかは不明だが、軽自動車税が半額以下になるなど維持費のメリットが大きいと考えたのだろう。ここまで見てきたように、大筋でいうと後席のスライド機構を採用できるという以外において、あえて軽ワンボックスをワゴンにするメリットはほとんどないからだ。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
趣味
モトブログを作ること
好きな有名人
菅麻貴子(作詞家)

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