この記事をまとめると
■警察の交通取り締まりにはノルマがある
■年度末に厳しくなる傾向にある
■データから最近の取り締まりの傾向を解説する
もっとも多いのは「一時不停止」
よく知られているとおり、警察の交通取り締まりにはノルマがある。交通違反の検挙によって徴収される反則金を財源とする「交通安全対策特別交付金」には、あらかじめ予算が決められているからだ。
したがって、年度末になるとそのノルマを達成すべく、取り締まりが厳しくなるので、これから3月末までは要注意期間となる。
そこで最近の取り締まりの傾向と対策を、令和三年警察白書 統計資料の「違反種別ごとの交通違反取締り状況(令和元年及び令和2年)」から考えてみよう。
まず取り締まり件数が多かった違反を見てみると、令和2年にもっとも多かった道路交通法違反は、「一時不停止」の160万4972件で全体の27.9%を占めている。
続いて、「最高速度違反」116万2420件(20.2%)。
あとは「通行禁止」が75万950件(13.1%)、「信号無視」63万5485件(11.0%)、「携帯電話等」30万9058件(5.4%)、「歩行者妨害」29万532件(5.1%)といったところが目立つ。
「信号無視」が多いのは意外だったが、あとはあらかた予想どおりといったところだが、もっと注目すべきデータは、前年(令和元年)に対する増減率。
たとえば、「歩行者妨害」は26.7%も増えている!
「過労運転等」は件数でいえば+35件、年間で131件と少数だが、増減率では+36.5%。
「一時不停止」も20.8%も増えているし、「消音器不備」が32.6%、「整備不良者運転」は13.1%プラス。
「最高速度違反」では、「50km/h以上」が-22.9%、「15km/h未満」が-41.5%と大幅に減った代わりに、「25km/h未満」が+4.9%、「20km/h未満」が+4.1%、「30km/h未満」が+3.0%になっている。
こうした取り締まり件数が顕著に増えている違反項目こそ、まさにいま警察が力を入れている点。
そもそも交通ルールを守るのは大前提だが、とくに上記の重点的項目については注意して、違反キップを切られないよう気をつけよう。