この記事をまとめると
■本サイトでもお馴染みの森口将之さんの愛車遍歴を紹介
■少年時代はそれほどクルマに興味もなく、クルマ酔いをしやすい時期もあった
■今ではイタリアやフランスのクルマを多く愛用するほか、バイクにも乗っている
クルマ酔いするほどだった森口少年の運命を変えたクルマとは
子供の頃の僕は、クルマが嫌いだった。乗り物酔いがひどかったからだ。当時父親が乗っていたクラウンの乗り心地がクタクタだったためもあるし、鉄ちゃんだったためもある。なので家族で出かける時も、ひとりだけ電車に乗っていったほど。
なのになぜか、近所にあったトヨタ2000GTは自転車でたまに見に行ったりしていたし、中学生になるとカーグラフィックを購読しはじめ、世界にはいろいろなクルマがあることを知りはじめた。
運転免許は2輪から取得した。でも事故や違反を繰り返すようになり、親から4輪に乗るよう言われた。最初は家のクルマに乗っていたが、カーグラフィックの影響でイタリア車が気になり、ミッドシップスポーツのフィアットX1/9に試乗しに行った。
ところが買ったのは、アウトビアンキA112アバルト。同じお店でついでに乗ったら、こちらのほうが衝撃的だったからだ。これが人生初の愛車になった。
アウトビアンキは2台乗り、続いてアルファ・ロメオのジュリアクーペ、2000GTVを買った。しかしネコ・パブリッシングのエンスー雑誌、カー・マガジン編集部に入ったことで転機が訪れる。イタリア車やイギリス車、ドイツ車など、主なヒストリックカーは編集部内で役割分担が決まっていて、アルファが好きだというだけでは居場所がなさそうだと直感した。しかも2000GTVはかなりの金食い虫でもあった。
しかしフランス車は担当がいなかった。昔からひそかに憧れだったシトロエンにしようと決めた。安くて壊れなさそうな2CV。美しくて熱いイタリア車とは正反対だったけれど、独創の塊のようなこの乗り物に、のめり込んで行く自分がいた。