逆転劇はお荷物だったベビー・ランボの系譜を受け継ぐモデルから
ウルスは4リッターのV型8気筒ツインターボエンジンをフロントに搭載したSSUVだが、アウディ傘下での成功の始まりは、5リッターのV10エンジンをリヤミッドに搭載した「ガヤルド」だった。アウディの技術力が強く反映されたアルミニウム製のスペースフレームと、一時はツインターボのV8も試されたというが、結局は自然吸気のV10に落ち着いたパワーユニット、そしてこれもまたアウディの意向を強く反映した4WDシステムが特徴だ。
2004年から本格的なセールスが始まったガヤルドは、それまでの12気筒モデルのようにシザースドアも持たない、いわばランボルギーニらしくないモデルだったのかもしれないが、その走りは当時の12気筒モデル、ムルシエラゴに迫り、また、コストパフォーマンスも非常に高かった。
結果、ガヤルドは2004年から2014年にかけて、その途中で排気量拡大などのマイナーチェンジを受けつつ生産を継続。トータルでこれも1万台超えの1万4022台を販売した「やりました」ランボルギーニの座を見事に獲得する。
こうなるとランボルギーニ・サポーテッド・バイ・アウディの勢いは止まらない。ガヤルドの後継車として2014年に発表された「ウラカン」は、やはり2020年トータルの数字はまだ入ってきていないものの、ガヤルドの1万4022台は2019年6月の段階ですでにクリア。同年にはビッグマイナーチェンジモデルとなる「ウラカンEVO」、翌2020年には公道も走行できるレーシングカーともいえる「ウラカンSTO(スーパー・トロフェオ・オモロガータ)」も発表されているから、まだしばらくの間はウラカンの存在感はスーパースポーツの世界では衰えることもないだろう。
ちなみにランボルギーニが掲げる年間販売台数の目標は1万台。2022年はV12モデルのアヴェンタドールが最後のモデルイヤーを迎えるほか(これによって自然吸気のV12モデルには終止符が打たれることになる)、その後継車の発表も計画されているという。
もはや今のランボルギーニに「やっちまった」の心配など皆無。安心して彼らの将来を見守ろうではないか。