手放し運転も可能! 自動駐車もある! ここまでやるかの新型ノア&ヴォクシーの進化に圧倒される【新型ノアヴォク詳細リポート#02】 (2/2ページ)

トヨタ最強=国産車最強の自動パーキングシステムを装備

 バックドアの開閉性も向上している。先代の巨大で、開閉操作が重かったバックドアは車体後方に約950mmのスペースがないと開けられなかった(先代ステップワゴンはそこをワクワクゲートのサブドア、セレナもデュアルバックドアで解決)。そこで新型は、世界初のケーブルを用いたシンプル構造の”からくり”を使ったフリーストップバックドアを採用。

 任意の位置での保持が可能となり(好みの場所まで開けて、ちょっと戻すと保持する)、車体後方のスペースがない場所、背の低い人でも開閉しやすく、荷物の出し入れ性が劇的に容易になっているのである。ちょっと開けるだけだと、かえって荷物を出し入れしにくいと思えたのだが、じつは横からなかにスッと入ることが容易で、立っていられるスペースがあり、けっこう実用的だと思えたのも本当だ(わくわくゲートをやめた新型ステップワゴンはリモートで任意の位置で止める方法を取っている)。

 ちなみに新型ノア&ヴォクシーの2列目キャプテンシート仕様のラゲッジスペース(上面)は先代よりやや減少しているものの(一例として3列目席使用時のベルトラインまたはシートバックの高いほうでの容量は先代が298リットル。新型は388リットル[VDA方式]だから箱モノの積載での計測)。

 しかし、3列目席左右跳ね上げ方式によるメリットとなるデッキボックス=床下収納は、ハイブリッドモデルのバッテリーをフロント側に移動したこともあって、先代ガソリンの99リットル、ハイブリッドの85リットルに対して、新型はガソリン、ハイブリッドを問わず104リットルを確保しているのだから、実際の使い勝手は大きく向上していると断言できる。

 さらに、パワーバックドア装着車のスイッチをボディサイドに移動したことも、パワーによるバックドアの開けやすさに直結しているのだ。真後ろから操作すると、大きなバックドアが手前にグィーンと跳ね上がるため、体に当たったりしたわけで……。

 というわけで、2列目キャプテンシートのアレンジ性、アルファードの上級キャプテンシートに迫る仕様、老若男女を問わない後席乗降性の良さ、3列目席の格納の容易性、バックドアの使い勝手、荷室の積載性など、あらゆる点で大きく進化しているのだが、新型ノア&ヴォクシーの驚くべき機能性はまだまだある。

 そのひとつが、トヨタ独自の自動運転の考え方「Mobility Teammate Concept」に基づく最新の高度運転支援技術=トヨタチームメイトのアドバンストドライブ(渋滞支援)だ。その機能とは、自動車専用道路の同一車線で、レーダークルーズコントロールとレーントレーシングアシスト作動時の0-40km/hの速度域に限り、自動運転レベル2に匹敵するハンズオフ運転を可能にしてくれること。限定条件下とは言え、未来の自動運転の一端を、この新型ノア&ヴォクシーで垣間見ることができるのだ。

 もうひとつのトヨタチームメイト機能が、トヨタ車初搭載のアドバンストパーク。バック&前向き駐車にも対応し、なおかつスマホの操作でも駐車&出庫をサポートしてくれる先進技術である。

 この種の自動パーキングは、これまで駐車に慣れている人であれば、「自分でやったほうが早い」という動作でしか利用できなかったものも少なくないのだが、このアドバンストパークは、最初のきっかけとして自車を止める位置さえ習得すれば、ソロソロではなく、結構なスピードで確実に縦列、並列駐車が可能となる。実際、両隣に新型ランドクルーザー、アルファードのエグゼクティブラウンジ仕様の2台(総額1500万円級)がいる間に自動駐車させたのだが、ぶつかったらどうする! ……というこちらの緊張をよそに、見事に一発、短時間で並列駐車を自動でこなしてくれたのだから、びっくりである。

 スマホによる自動駐車、出庫機能も便利極まりない。まるでリモコンカーのように、愛車のノア&ヴォクシーを遠隔で駐車したくなるようなケースは、面白動画じゃないから稀だとしても、たとえば、枠内に駐車した時には両側にクルマが停まっていなくても、クルマに戻ってきたら両側に特大車が停まっていて、フロントドアが開けられない。あるいは、突然の豪雨でクルマに戻ってきたらまわりが池状態で、クルマに近寄れない……なんていう場面でも、スマホの操作によって、ノア&ヴォクシーをスルスルと駐車位置から乗り込みやすい位置まで遠隔で動かせるのだから便利すぎるではないか(こちらのほうが使い方としては現実的だろう)。

 このアドバスストパークの機能は最新のレクサスNXからのものだが、じつはNXよりセンサーがレベルアップしているというのだから、なんとも頼もしい! 言ってみれば、トヨタ最強、国産車最強の自動パーキングシステムと言って過言ではないのである(実体験に基づく印象です)。

 以上のように、4代目ノア&ヴォクシーは、デザイン、パッケージ、乗降性、居住性、快適性、オプションを含む装備の充実度、格段にレベルアップした最先端の先進運転支援機能、トヨタ最新、アイディア満載の”からくり”を含む超便利機能、そして刷新したプラットフォームやハイブリッドシステム、燃費性能など、もう、考えうるあらゆる点で大きすぎる進化を遂げた新型だ。

 ミニバンブームがひと段落し、いまはSUVブームの真っただ中ではあるものの、もはや革新的新型ノア&ヴォクシーの大ヒットは確実と思われる。あとは試乗の機会を待ち、走りの進化にも期待したい。2022年は、春にステップワゴン(確定)、秋ごろにはセレナもフルモデルチェンジが予想されるから、そのガチ対決もまた、楽しみである。


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