この記事をまとまると
■いまいくつかの国産スポーツカーがプレミア価格となっている
■しかし今後も必ず右肩上がりになるとはいえない
■国産スポーツカーの相場が落ち着く日もそう遠くはないかもしれない
相場は需要と供給のバランスによって大きく変動する
中古車情報サイトで「スカイラインGT-R」を検索、値段の高い順でソートすると、最高価格帯は3000万円になっている。たしかに20年前のクルマとは思えないコンディションで、走行距離も1万km以下となれば、希少価値があるのは間違いないが、新車価格がせいぜい600万円の国産車が3000万円のプライスボードを掲げているのは、にわかには信じがたい状況だ。同時代の国産スポーツカーでいえば、マツダRX-7も最終型で程度が良好であれば1000万円に届きそうなプライスとなっていることも珍しくない。
このように平成の名車といえる国産スポーツカーの中古車が新車時を超えるプレミア価格となっているのは、ひとえに「それでも欲しい」というユーザーがいるからだ。たしかに、これからは電動化に進むのは確実という状況で、純エンジンのスポーツカーは消滅する方向で、この時代の国産スポーツカー特有の乗り味は失われつつある。
しかし、どんなに希少であっても、そこに価値がつくかどうかは需要次第。いくらお金を積んでも欲しいという人が、“複数”存在していることが、こうした市場を作っている。
では、国産スポーツカーの中古車価格は上昇し続けるのだろうか。
単純に右肩上がりになるとは言い切れない。たとえば、バブル経済華やかなりし頃、日本に上陸したフェラーリF40は、いわゆるメーカー希望小売価格の5倍に相当する2億円を超える価格で取引されたという話もある。では、F40の価格はそれから上がり続けたのだろうか。
じつは、そんなことはない。10年以上前の相場を下げていた頃には新車時価格と同レベルで取引されていた時代もある。ここ数年、程度がよくヒストリーのしっかりした個体については2億円を超えることもあるが、スポーツカーにも人気の上下があり、需要と供給のバランスによって相場というのは意外に大きく変動するものだ。