意外にも多くの組み合わせが存在した!
スタッフ「はいもしもし、こちら株式会社 舘プロです。うちのひろしにCMに出てほしい? クルマのCM? ありがとうございます。それでメーカーさんは? はあ、シトロエンさん。車種はC4カクタス? ええ、ええ、大丈夫です。あとは日程とギャラですが……」
舘ひろし「(電話中のスタッフに向かって)それ、断って」
スタッフ「えっ? (受話器を手でふさぎながら)舘さん、何言ってんすか。(再び受話器に向かって)すみません、こちらからすぐ折り返しますのでいったん切りますね。いや本当にすみません、ええ、ええ、すぐ書け直します。では」
ガチャン。
スタッフ「舘さん、シトロエンっていったらおしゃれなイメージの自動車ブランドだから、いい話だと思うんですけど、なんでいきなり『断れ』なんて言うんですか?」
舘ひろし「俺は男だ」
スタッフ「ええ、わかってますよ。さっき一緒に男子トイレに入ったじゃないですか」
舘ひろし「男に二言はない」
スタッフ「……はい?」
舘ひろし「オレ・タチ・カルタス……というフレーズを愛してくれたみんなに対して『オレ・タチ・C4カクタス』なんてフレーズを口にするわけにはいかない」
スタッフ「や、そんなセリフを言ってくれという依頼はまだないですし、ていうか絶対にそんな台本は来ないと思いますが……」
……ダメだ。これもまったく面白くない。舘ひろしさんの男らしさは表現できたような気もするが、それだけである。「面白さ」の成分は皆無だ。
どうやら私にはコメディの才能がないのだろう。やればやるほどドツボにハマる。
こうなったらもう「羅列こそが(この場合は)ベストである」と開き直り、ただ羅列するほかない。それが、この場合は餅代獲得のための最善手なのだ。もう二度とWEB CARTOPから仕事の依頼は来なくなると思うが、それも仕方ない。すべては私の才能不足のせいである。
ということで羅列する。「名前は似てるけどぜんぜん違うクルマ」の数々である。
●オペル・シグナム(5ドアハッチバック)|三菱レグナム(ステーションワゴン)|ダッジ・マグナム(2ドアハードトップ)
●シボレー・ソニック(韓国GMが開発した小型車)|ルノー・セニック(ルノーのMPV)
●ビュイック・ロードマスター(巨大ステーションワゴン)|マツダ・ロードスター(説明不要)
●ポンテアック・フィエロ(フェラーリレプリカのベースとしてよく使われた2ドアクーペ)|日産フィガロ(マーチベースのパイクカー)
●フォード・クーガ(CセグのSUV)|日産フーガ(ハイソなセダン)
●ジープ・コンパス(コンパクトSUV)|ダイハツ・キャンバス(かわいい軽)
●マクラーレン・セナ(最高出力800馬力)|トヨタ・セラ(最高出力110馬力)
……いかがでしたでしょうか? 似た名前だけどぜんぜん違うクルマって、実はけっこう多いんですね。あ、でも最後のマクラーレン・セナとトヨタ・セラは、エンジンとかはぜんぜん違うけど「ドアの開き方」だけはちょっと似てますね。もちろん偶然の一致ですけど! わはははははは…………ハァ。