トヨタの「野心」爆裂! ヤリスの頂点「GRMN」にGR GT3もあって見どころしかない【東京オートサロン2022】 (2/2ページ)

レースへの参戦を前提としたGR GT3コンセプトも

 もうひとつの野心的な提案は、「GR GT3コンセプト」だ。こちらもカスタマーレーシング向けだが、GT3はFIAレギュレーションでツーリングカーの最高峰カテゴリーゆえ、WECのLMGTクラスなど国際格式レースへの参戦を前提としている。GRレーシングはワークスとしてWECとWRCを制覇した次の目標として、いわばGRブランドやルーキー・レーシング的アプローチの、海外市場展開を目指すだろう。今回は外寸のみが発表され、全長4590×全幅2040×全高1140mm、ホイールベースは2725mmとなっている。

 またカーボンニュートラルへの取り組みにおいても、レクサスがカスタムとスポーツを軸に独自色を出していた。NX450h+をベースに、ブロンズとブラックのマットボディをまとい、大径オールテレインタイヤを履いた、コアなキャンプ仕様だ。それだけではなく隣には、水素エンジンを搭載したレクリエーショナル・オフロード・ヴィークル「ROVコンセプト」が、華を添えたのだ。つまり目的地まではガソリンとハイブリッドで、大自然の中へさらに分け入って踏み込む際にはゼロエミッションの水素で……と、適材適所のパワーソースをシームレスに運用するという提案だ。自然との共生や環境へのリスペクトと、クルマで思い切り遊ぶことが矛盾しないというメッセージを、鮮やかに描き出してる。

 さらにはBEVでも、まだコンセプト段階ながら完成度は高いであろう、「bZ4X GRスポーツ・コンセプト」も展示された。

 ちなみにレクサスの出展には、今季から始まるエアレース世界選手権に参戦する「チーム レクサス/パスファインダー」の室屋義秀選手の愛機、「Zivko Edge 540 V3」の3分の1スケールモデルもあった。

 モータースポーツやカスタムを軸としつつ、死角のないラインアップと世界観をトヨタGAZOOレーシングは完成させつつある。一方で今いちど注目したいのは、ホール内で対角線状の反対側、JAOSのブースだ。海外ラリーレイドで磨いたクロスカントリー&SUV用パーツを手がけるJAOSが、レクサスと作り上げた「LX600 “オフロード”JAOS ver.」が展示されている。

 カーボンパネルのスキッドプロテクターやビス止めのラギッド感あふれるオーバーフェンダーなど、LX600が本来もつワイルドな一面が魅力的なコンセプトだ。


南陽一浩 NANYO KAZUHIRO

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