女性は影で泣いている! 運転している女性に「やってはいけない」男性からのダメ出し3つ (2/2ページ)

体格の差が運転に影響してしまう場合も

 2つ目は、「できないことを責める」。これもNGです。車線変更や右折がスムースにできないことに対して、「なぜできないんだ」と責めてしまうと、女性は心理的に「そんなこと言われたって仕方ない」と開き直ってしまいます。どんどんどうでもよくなってきて、しまいには聞く耳を持たなくなってしまうのです。「教習所で何を習ってきたんだ」とか、「そんな簡単なこともできないのか」といった、責める言葉はいっさい封印してください。

 男女問わず、運転に不慣れなドライバーの場合は、できないのではなく、やり方を知らないだけなのです。もしくは、習ったことを忘れてしまっていたり、緊張してつい手順をすっ飛ばしてしまうこともあるでしょう。責めるのではなく、「さっきはこうすればよかったね」とやり方を示してあげてください。

 3つ目は、「体格や体力の差を考慮しない」こと。日本人女性の平均身長は、年齢によっても多少の差がありますが158cm前後です。それに対して日本人男性の平均身長は172cm前後となっており、約14cmの差があるのです。また、足のサイズも日本人女性の平均が23.5cm、男性が26.5cmほどとなっています。こちらも3cmの差がありますね。

 この体格の差が顕著に影響してしまうのが、まず視界の広さ。シート調整で適切なポジションを取ることで、影響を最小限に留めることはできますが、助手席に座っている男性のほうが先に遠方の障害物を確認できたり、標識に気づいたり、ということは多々あります。それを「よく見てないからだ!」などと怒るのはもってのほか。

 また、足のサイズが小さい人は、ペダルをしっかり踏めていない傾向があります。男性のサイズなら大きな面積でペダルを踏むことができても、小さな女性の足では同じような面積で踏むことができないことが多いためです。なかには、踵をつけてペダルを踏むことができない女性もいます。さらに女性は体力も男性より弱いことが多いので、ペダルを踏む強さも変わってきます。それなのに、「なんでもっと強く加速できないんだ」などと責めても仕方ありません。自分と同じようにできないことを怒るのは、筋違いというもの。もっと女性の立場に立って見てあげて欲しいと思います。

 このように、まず女性の気持ちになって考えてみれば、どれもムッとしてしまうことがわかるのではないでしょうか? 女性脳の特徴の一つとして、「共感を求める」ということがあります。もし女性が運転を怖がっていたり、いかにも苦手そうなら、「こういうところが怖いよね」「今みたいなところ、僕も苦手なんだよね」などと、共感することを大切にしてみてください。そこから安心感を覚え、信頼感が生まれてから、徐々に指導をしていく方が効果的ではないかと思います。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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