無料化によって発生する問題も
実際、現状では保守管理代はそれほど負担ではないと言われている。ただ、以前はなかったのに今やいろいろな路線で毎年恒例となった集中工事を見てもわかるように、今後どれぐらい朽ちてくるかわからない面もある。
諸外国では無料のところもあるじゃないかと思うかもしれない。一番有名なのはアウトバーンで、実際に乗ったことがあるが、バイパスのような感じですぐに乗れるし、あちこちに出入り口があって非常に便利だ。
ただ、出入り口があちこちにあるのは建設時に作ってしまったためというのがあるし、じつは最近になって無料ではなくなっている。正確には通行料金ではなく税金という形で徴収されていて、燃費や排気量に応じて金額が決まるのはドイツらしいが、以前から保守管理代が負担になっていると言われていただけに、この点を見ても無料は厳しいということがわかる。
さらに、金勘定ではない面でも無料化は厳しい。2010年前後に休日の通行料金を一律1000円になったときには、当然のことながらドライブや旅行に出かけるクルマが急増して、渋滞量が約2倍になってしまい、毎週末がゴールデンウィークとまで言われたほど。九州のサービスエリアに入ったら、関東のナンバーがズラリ並んでいて驚いた覚えがある。
日本人は行楽が大好きなので、なにかきっかけがあれば混むのは事実。毎日無料になればそこまで集中はしないかもれしないが、無料化することで発生する大きな問題であるのは確かだ。