この記事をまとめると
■いすゞにはかつて「飛鳥」と漢字表記したくなる乗用車があった
■中国には漢字表記の社名プレートを装着したモデルが多数存在する
■中国での車名・ブランド名の漢字表記の一例をまとめた
かつては日本にも漢字が似合う車名のクルマがあった
いまはトラックとバスのみの完成車メーカーとなっているいすゞ。しかし、その昔は乗用車も生産し販売していた。ベレット、117クーペ、ジェミニ、ピアッツァなど、それなりに歳を重ねたクルマ好きならばお馴染みの車名となるだろう。
そのいすゞの乗用車のなかにフローリアンというセダンがあった。1967年にデビューしたセダンタイプのモデルとなるが、イタリアのカロッツェリア・ギアの手によるデザインということもあったのか、何回か大規模な手直しを行い、1983年の生産終了まで一度もフルモデルチェンジが行われることはなかった。
そのフローリアンの後継モデルとして1983年にデビューしたのがアスカ(正式名称はフローリアン アスカ)であった。GM(ゼネラルモーターズ)のJカーの流れを汲み、オペルやホールデン、シボレーなどに姉妹車が存在していた。
このアスカという車名の由来は「飛鳥時代」の飛鳥に由来している。日本語由来の車名は珍しいのだが、デビュー当時に「飛鳥という漢字車名プレートにしたほうがよかった」との話が当時の世の中であったのを筆者は記憶している。
そして、この漢字車名プレートが氾濫しているのが、世界第一位の自動車市場となる中国。中国の自動車メーカーだけではなく、欧米、韓国、そして日本のメーカー車も、その多くが漢字の車名をもっている。ノリとしては、日本において「COROLLA」を「カローラ」と一般的に表記するものと同じものと筆者は考えている。
傾向は、「意味を漢字化させたもの」と、「当て字」に分けることができる。たとえば、トヨタ カローラの車名の意味は英語で「花の冠」という意味になるが、いまでこそカローラは「卡罗拉」という当て字となっているが、少し前のモデルでは「花冠」という車名の意味を漢字化させたものとなっていた。