MX-30は後部ドアだけを開閉することができない
3台目は、マツダ創立100周年記念モデルとして登場した、ハイブリッドとEVがあるマツダMX-30。コンパクトサイズのSUVでデザインも魅力的だし、インテリアはサステナブルな素材を活用してスタイリッシュに仕上げてあるので、ひと目惚れする人も多いのではないでしょうか。このMX-30の最大の特徴は、前後のドアが中央から左右に開く、観音開きとなっている点です。とてもユニークで、中央の柱がないので広々とした開口部となるなど、利点も多いのですが、知らずに買うとあとで「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまうかも。というのも、後部ドアだけを開け閉めすることができないという弱点があるのです。
開ける際にはまず前のドアを開けてから、後部ドアを開けます。閉める際にはその逆で、まず後部ドアを閉めてから、前ドアを閉めるという手順が必要。なので、普段は1〜2人乗りで使い、滅多に後部ドアを開けることがない、という人はいいのですが、後部ドアのみを開けたいと思っても、そのたびに前ドアも開けないといけないというのが、ちょっと不便なところです。ただ、リヤシートに座った子供が、勝手にドアを開けて降りるというイタズラができないので、逆に助かっているというパパの声もありました。いずれにしても、しっかりチェックしてから購入した方がいいですね。
4台目は、ルパン三世の愛車として認知度も高く、そのキュートな見た目にズキュンとやられちゃう人も多い、フィアット500。現在のデザインは2007年からほとんど変わっておらず、限定カラーやコラボデザインなど多彩なモデルが市場に出ているので、超個性的なカラーなどにひと目惚れしちゃうと、他では代わりがきかないモデルとも言えますね。
ただこのフィアット500、日本車のなめらかなCVTやATに乗り慣れた人が、何も知らずに買うと「えっ、壊れてる?」とビックリするくらい、2ペダルなのに変速ショックが大きいです。これはデュアロジックと呼ばれる2ペダルMTとなっていて、実際にはクラッチペダルを踏まないのですが、踏んだつもりで1速、2速、と間を置いてからアクセルペダルを踏むとスムーズに走らせることができるのです。それに慣れてくると、クルマと一体になったような楽しさにハマる人も続出なのですが、やはり疲れている時や面倒な時もあるので、これに慣れるかどうかは人それぞれ。一度、試乗して感触を確かめてみることをお勧めします。
ということで、思い込んだら一直線な熱いハートを持った人ほど、クルマをひと目惚れ買いしやすいかもしれません。でも中には後悔するパターンもありますので、ぜひ一度冷静になって、愛が本物かどうかを確かめてから購入してくださいね。