多くの人のフルブレーキは「フル」じゃなかった! イザというときABSを効かせられる方法とは (2/2ページ)

ドライビングポジションも重要!

 まずはドライビングポジションを見直すこと。シートと腰・背中の間に隙間ができないように深く腰掛け、ブレーキペダルを奥まで踏み込んだときでも膝裏が少し曲がった状態になるところまで、座面の位置を前にしておく。

 一番踏力が入りやすい足の位置でブレーキが踏めるポジションになることを何より優先させておこう。かろうじて足先がペダルに届いているようなポジションで運転している人を見かけるが、それではいざというときフルブレーキなんて踏めるわけがない。

 あとは経験。メーカーやレーシングドライバーなどが主催しているドライビングレッスン、あるいはツインリンク茂木などのサーキット主催のドライビングスクールに参加し、実際にABSを効かせるまでフルブレーキ練習をするのが一番。

 2~3回のフルブレーキ体験では、なかなかABSを効かせるほどガツンとしたブレーキは踏めないので、少なくともブレーキだけで5~6回以上、できれば10回ぐらいはフルブレーキを練習できるプログラムを選んで身体で覚えるしかない。

 時間もコストもそれなりにかかるが、いざというときもっとも役立つスキルが身につくことを考えれば安い投資なはずだ。

 せっかくだから大事なことをもうひとつ。もしもスピンモード(ハーフスピンを含む)に入った場合、下手にカウンターなどで建て直そうとせず、クルマが完全に停止するまでとにかくフルブレーキを踏み続けること。これが被害を最小にする秘訣なのでぜひ覚えておいて欲しい。とくに完全停止までブレーキを踏み続けるというのが要諦(でもできない人が多い)なので、肝に銘じておくように。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

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日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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