原点回帰とも言われる新型ステップワゴン! 戻るべき「歴代最強」モデルは何代目か? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■6代目ステップワゴンが発表された

■6代目は初代の面影を残したエクステリアということで話題になっている

■歴代ステップワゴンの中で最高だった1台を振り返る

6代も続くミニバンの長老は一周まわってどれが最適解か

 2022年2月からの先行予約に先立ち、新型ステップワゴンが、そのスタイリングを公開した。初代や2代目を連想させるスクエアなシルエットやシンプルなフロントマスクはユーザーから好意的に評価されているようだ。

 ところで、新型モデルはステップワゴンとしては6代目にあたる。初代の誕生は1996年5月、ステップワゴンは意外に歴史が長いモデルとなっているのだ。新型モデルのスタイリングが発表されたということで、初代からの流れを振り返りつつ、歴代のベストモデルを考えてみよう。

 ステップワゴンはMクラス・ミニバンというカテゴリーに分類される。簡単にいうと5ナンバー(小型車)サイズの枠に収まるスライドドアのミニバンというのが同カテゴリーの基準で、ライバルは日産セレナやトヨタ・ノア/ヴォクシーなのはご存じのとおりだ。

 しかし、初代ステップワゴンが『ファミリー・ムーバー』というキャッチコピーを引っさげてデビューしたときには、Mクラス・ミニバンというカテゴリーは存在していなかった。当時、日産からバネットセレナという商用ベース(後輪駆動)のミニバンはあったが、乗用車ベースのFFプラットフォームから生まれた5ナンバーサイズのミニバンはステップワゴンが最初だったのだ。

 そうしてステップワゴンが切り開いたFFの5ナンバーサイズ・ミニバンというカテゴリーは大いに市場から評価された。1996年にはトヨタが対セレナとしてはタウンエースノアを出すが、名前からもわかるように商用車ベースであることはセレナ同様で、ステップワゴンの牙城を切り崩すことはできなかった。

 たしかにセレナはSR型エンジンを積むなどシルビア的な要素がありFRのハンドリングは楽しいものだったが、フロント・ストラット、リヤ・ダブルウイッシュボーンのステップワゴンのほうが安定感は上だった。さらにいえば、FFパッケージはプロペラシャフトがない分だけ床を低くでき、スペース効率でも圧倒していたのだから商用車ベースのセレナやタウンエースノアでは同じ土俵に上がることができなかったのも致し方ない。

 さらに、2001年にフルモデルチェンジした2代目ステップワゴンは、リヤ・ダブルウイッシュボーンというスポーティなサスペンションを進化させつつ、エンジンをi-VTEC(吸気側バルブタイミング&リフト可変機構)を備えていた。ダブルウィッシュボーンとVTECの組み合わせは、その響きだけでホンダのスポーティテイストを期待させるものだった。

 ライバルのセレナは1999年のフルモデルチェンジで、またノア/ヴォクシーは2001年のフルモデルチェンジの際に、ともにFFプラットフォームに生まれ変わったのはステップワゴンのフォロワーになったということであり、この頃からMクラス・ミニバンというカテゴリーが激戦区になっていった。そうして、日本市場はミニバン天国と呼ばれるようになった。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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