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決して「神電池」ではない! 自動車メーカーが期待を寄せる「全固体電池」とは? (2/2ページ)

決して「神電池」ではない! 自動車メーカーが期待を寄せる「全固体電池」とは?

この記事をまとめると

■全固体電池には世界の自動車メーカーが期待を寄せている

■全固体電池によってEVの高性能化とプラットフォームへの自由な配置が実現される

■トヨタによるとまだまだ全固体電池の実用化にはさまざまな課題が存在する模様

全固体電池が実現すればEVは大幅に高性能化することが可能だ

 電気自動車(EV)の普及拡大へ向け、世界の自動車メーカーが期待を寄せるのが、全固体電池だ。全固体電池とは、充放電を促す電解液を固体にした構造で、機構自体はリチウムイオン電池である。電解質内をリチウムイオンが正極と負極へ移動し、充電や放電を行う。

 全固体電池の構想が熱を帯びた背景に、リチウムイオン電池の過充電や電極の短絡などによって発熱や発火などの事故が起きたことがある。このため、リチウムイオン電池は危険との意識が、消費者のみならず自動車メーカーにも深く浸透した。そこで、過度の発熱や発火の危険が少ないとされる全個体電池に注目が集まったのである。

 また、全固体電池は、既存のリチウムイオン電池に比べ高性能化でき、それによって少ない搭載で十分な航続距離を手に入れることができるとされた。電解液は電池内を移動し、電池の置き方次第で電解質と電極の接触が十分でなくなる場合が考えられるが、固体であれば常に電極と均一に接し、効率よく充放電ができると考えられた。

 しかし、その点は、日産自動車がNECと開発したラミネート型であれば、より均一に電解液と電極が接触でき、安定した充放電ができる。同じ方式を、ゼネラルモーターズ(GM)やメルセデス・ベンツが採用したことでもうかがえる。

 そこで箱型でも、全固体電池なら搭載性を気にせず安定した性能が得られ、高効率化により搭載量を減らすことができ、原価低減につながりEVの価格引き下げに役立つなど、夢の電池として語られてきた。

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