日本市場の動向を目の当たりにする結果であったといえそうだ
一方で、イヤーカー次席のトヨタ86/スバルBRZは、2社の共同開発によるスポーツカーで、基本的な部品は共通性をもつ。しかし、たとえばリヤサスペンションの取り付け部の構造が異なっていたり、操縦特性には別の持ち味を持っていたりする側面もあるので、投票した選考委員の意図が86を見たのか、BRZを見たのか、あるいはトヨタとスバルという二つのメーカーからスポーツカーを発売したという総合的視点で見たのかは定かでない。そこで86とBRZが得た264点を、トヨタ車勢の評価の一角としてそのまま加算していいかどうかは意見がわかれる可能性がある。
もし、メーカーそれぞれの成果として、得点の半分ずつ(132点)を分け合ったとしたら、トヨタ車勢として3台の合計得点は281点となって、結局、ノートには及ばなかったということもいえなくはない。
日本カー・オブ・ザ・イヤーで配点する選考委員の評価は、それぞれの視点に任されている。したがって、一台のクルマの評価においても、何をもって点を投じたかは人それぞれなのだ。
日本カー・オブ・ザ・イヤーの結果はそれとして、それでも10ベストに3台も入り、イヤーカー次点の高得点を獲得したトヨタの状況は、車種別で賞を獲れなかったとはいえ、日本市場の動向を目の当たりにする結果であったといえそうだ。