続々と名車がEVに変身&復活するアメリカ車
その一方で、直近のアメリカでは思い切ったEVシフトも目立つ。フォードでは、あのマスタングの名称を持つSUVとして、マッハEが登場。
GMでは、リーマンショックの後にブランドとして消滅させ、その後に中国企業に事業を売却したハマーを今後はGMCでのEVモデルとして復活させた。
また、ステランティスとなったダッジでも、ハイパフォーマンス系EVを近年中に続々と市場導入することを確約している。
こうした最近のアメ車メーカーの動きを俯瞰(ふかん)してみると、そこから見えてくるのは「徹底したブランド戦略の追及」だと思う。
世の中はいま、欧州を基点に加速するEVシフトを、アメリカが事実上、後追いするかたちでパワートレインの大変革期に突入している。これと同時進行するかたちで、たとえばジープのように、商品の個性が際立つブランドでは、ユーザー自らがSNSなどを活用してユーザー同士でジープを楽しもうという積極的な動きが始まっている。こうしたトレンドを、ステランティス側もしっかり理解した上で、ユーザーとのコミュニケーションを大切に進めている。
つまり、いまどきのアメ車は、ユーザー・ファースト(顧客第一)を徹底した思い切った事業転換を成功させているといえる。
日本メーカーにとっても、いまどきのアメ車には学ぶことが多いはずだ。