中国の停電騒ぎなどが大きな影響を及ぼしている
業界事情通に聞くと、「スタッドレスタイヤを履かせる格安アルミホイールは、中国製が多いのですが、中国では停電がまだ深刻で、毎週深夜に3日ほどしか生産ラインを動かすことができないなどとも聞いております。まずは、“停電騒ぎ”によってアルミホイール自体の生産が滞っているようなのです」とのこと。
2021年夏ごろより、中国の停電騒ぎというか、“計画停電騒ぎ”がフォーカスされるようになった。計画停電により、電力消費の激しい工場の操業は厳しく制限され、前述したように、深夜に、それも3日のみ操業可能などという状態になっているようである。
その原因については、火力発電所向けの石炭供給が価格高騰により不足傾向にあるとか、政府の電力供給政策(化石燃料による発電を押さえる)、または、年明けに開催される北京オリンピックのために、大気汚染を抑えるために(開催地近辺の冬の大気汚染は深刻)火力発電所の操業を抑制するなど、さまざまなことがいわれているが、いまひとつその原因は定まっていないのも現状。
ただ、その煽りを受けてアルミニウムの生産量も抑制されており、アルミホイール加工工場の操業の問題とダブルで品薄状況を招いているようである。
しかし、話は中国からの完成品だけではないとは前出の事情通。「じつはアルミニウムの製造過程で使用する溶剤の生産量は中国が圧倒的に多く、これも計画停電騒ぎで供給量が限られているようです。そのため、世界的にアルミニウムは品薄状況となっています。まったく世の中からなくなるということはないようですが、“買い負け”しないようにしなければ品薄状況は目立ってくるかもしれません」。
世の中からまったくなくなるということは、多くのケースで起こっていない。ただ、供給量が限られるなかで、ありとあらゆる業種で日本企業が世界的に“買い負けて”いるのではないかとは、最近よく聞く話になってきている。