究極の走りを求めたタイプRも誕生
NSXには、それからもさまざまな改良や追加車種が誕生していく。その代表的なところを見ても、1992年にはさらに120kgを軽量化し、同時にエンジンレスポンスを高めるなどのチューニングが施された「タイプR」が、また1995年にはタルガトップ仕様の「タイプT」が登場。
とりわけこの世代のタイプRは、約3年間にわずか480台が販売されたのみの希少車であり、現在でもその人気は絶大だ。
1997年には2000年4月に施行される平成12年排出ガス規制適合車に適合するためのマイナーチェンジが行われ、MT仕様車は新たに3.2リッター仕様のエンジンを搭載することになった。同時に5速MTは6速MTへと進化。1999年には低公害化はさらに進み、平成12年排出ガス50%低減車に認定されている。
そして2001年、NSXにはエクステリアを中心にマイナーチェンジが行われ、ヘッドライトが固定式のものへと変更。さらに細かくそのディテールを見るとフェンダーやサイドスカート、ボンネットなども、そのデザインが変更されていることが分かる。
2002年には1997年に生産が中止されていたNSXタイプRの後継となる「NSX-R」が誕生。さらに空力特性を向上させたほか、軽量素材としてカーボンファーバーが使用されるなど、時代の流れを感じさせる改良策が展開されている。レースシーンにおける活躍も、モータースポーツのファンには良く知られるところ。
この初代NSXは2005年まで生産が継続され、2016年にはハイブリッドシステムを搭載した第2世代が生み出されることになる。その第2世代NSXも、現在の予定では2022年に生産が中止されるとのこと。日本からまたひとつ、世界に誇ることのできるスーパースポーツが消えてしまうのは、じつに残念なことだ。