この記事をまとめると
■2000年代初頭に人気のあったクルマをプレイバック
■昭和に誕生したスポーツカーも人気が高かった
■最先端技術などが多用された新時代のクルマが多く世に放たれていた
クルマのあり方が大きく変わった2000年代の憧れの的とは?
平成元年(1989年)生まれの人が、運転免許を取得できる年齢になったのが2007年。2000年代のヤングドライバーは前半が昭和世代、後半が平成世代といった風に捉えることができる。
そうした時代の変化は、売れていたクルマの顔ぶれにも現われており、2000年にもっとも売れていたのはオーソドックスの極みといえる「トヨタ・カローラ」だったが、2009年には進化したハイブリッドカー「トヨタ・プリウス」がもっとも売れたクルマの座を奪っていた。また、2005年にはレクサス・ブランドが日本での展開をスタート、輸入車とは異なる憧れのブランドになるべく歩み始めたのも2000年代で記憶に残るニュースだ。
ところで、2000年代の若者は、社会人デビューする際に、いわゆる就職氷河期の厳しい洗礼を受けた世代。正直、マイカーが欲しいと思ってもそれは夢のまた夢だったという人も多いだろうし、運転免許を取得するためのウン十万円を用意するのに苦労したという人も少なくないだろう。憧れの愛車を手に入れるというイメージさえ思い浮かばないという世代ともいえる。
そんなゼロ年代に若者が憧れたクルマとは、どんなモデルがあるだろうか。
1)トヨタ・アルファード
さて、前提として押さえておきたいのは、平成初期生まれのユーザーを中心に「スライドドア世代」が増えているということだ。日本でスライドドアのミニバンが普及したのは1990年代だが、生まれたときから家庭のクルマとしてスライドドア車に親しんできたミニバン世代ともいえる。
そうしたスライドドア世代にとって憧れとなるのはスポーツカーでもなければ、ハイブランドの輸入車でもない。キング・オブ・ミニバンといえる「トヨタ・アルファード」だった。2000年代のアルファードといえば、2002年にデビューした初代モデルが憧れの対象となった。
初期の設定は2.4リッター直列4気筒エンジンと3リッターV型6気筒エンジンの前輪駆動を基本としたモデルだったが、2003年にはハイブリッドを追加。そのシステムは現在にもつながる後輪をモーター駆動するE-FOURで、1500Wのコンセントを用意するなどカーライフを広げてくれる仕様だった。それもアルファードへの憧れを加速させたのではないだろうか。